夫婦2人の人生を歩むことに

「これまでの私は、子どもがいる人生しか想像していませんでした。でも、夫の『授からないのなら、2人でゆっくり過ごしたい』という言葉を受けて考えるようになったんです。『子どもがすべてじゃない。大好きな夫と2人で過ごす人生もいいんじゃないかな』と。

子どもを完全に諦めたと言ったら嘘になりますが、少しずつ前向きに進めるようになりました。夫婦でどこに旅行しようかな、老後は田舎に引っ越そうかな、なんて考えることも。これからは、夫婦2人だからこそできる楽しみを見つけていこうと思います」

不妊治療を続けるうちに、家計や夫婦関係に問題が生じるケースは少なくありません。Aさん夫婦のように、離婚問題に発展する家庭も見受けられます。

夫婦2人で取り組む不妊治療。お互いの意思を尊重し、事前に「授からなかったときの道」について話し合っておくのもいいですね。

中川 雅美