罰金制度のメリットはほぼなかった

こうした罰金制を始めてみて2カ月。その間に夫は、タクシーによる深夜帰宅も増えましたが朝帰りも2回ほどしたため2万円、さらに土日の家事育児分担も数回しなかったため9000円と、合計3万円弱も罰金を筆者に支払いました。

そんな生活を続けて筆者が感じたのは「罰金制にしないと家事育児をしない夫への嫌気」と「お金で夫に言うことを聞かせている自分への罪悪感」でした。そして「罰金制にしてもしなくても、激務がゆえの夫の生活スタイルは変わらない」という結論に至ります。

夫から徴収した罰金は筆者のものになるわけですが、世帯収入が変わるわけではないので家計の収支に変化はありません。お小遣い制ではない状態での罰金制は、結果として我が家にとってたいしたメリットになりませんでした。

ただ、本当に罰金を徴収したことで、「生活を改めて家事育児をもっとしてほしい」という筆者の強い気持ちは夫に伝わった様子。「罰金を払って!」と口で言うだけでなく、実際にアクションを起こしたことでいい影響もありました。罰金制をなくした今、心なしか以前よりもゴミ出しはしっかりこなし、土日には積極的に子どもと過ごしたり一緒にお風呂に入ってくれたりしています。

結局、夫が家庭のことにより積極的に関わるようにするために、「罰を与える」という考え方自体が我が家には向いていなかったのでしょう。しかし、罰金制が合う家庭もあるかもしれません。「夫がだらしない」と悩んでいる方は、こうした方法を一度試してみるのもいいのではないでしょうか。

富士 みやこ