この貸付とは、具体的には「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付(国民生活事業)」 です。
別枠1,000万円(旅館業を営む方は、別枠3,000万円)の運転資金で、融資期間は7年以内(うち据置期間2年以内)となっています。金利は「基準利率」が適用され、2月3日現在、無担保の場合は2.16〜2.45%、有担保の場合は1.21〜2.10%です。
対象層は以下の通りですので、該当する可能性がある中小・零細企業の方は公庫の窓口で相談されると良いかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来しており、次のいずれにも該当する旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方で、(1)最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して10%以上減少しており、かつ、今後も売上高の減少が見込まれること、(2)中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれること。
経営者が高齢化している多くの中小・零細企業にとっては現状以上に借金が増えることは怖いと思います。ただ、新型コロナウイルスの悪影響がいつまで続くか不透明なため、まずは特別融資・保証などを活用しつつ、資金繰り倒産を回避することが重要でしょう。
執筆者
SME Financial Architect x Fintech x Frontier Markets
新潟大学法学部卒業、フィンランドAalto大学 Executive MBA取得、英国オックスフォード大学 Fintech課程修了、米国マサチューセッツ工科大学 AI課程修了。中小企業金融公庫(神戸、宇都宮、東京)、在ベトナム日本国大使館(ハノイ)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京)、東京中小企業投資育成(東京)を経て、2008年4月、クロスボーダー・ジャパン(株)代表取締役社長(東京&シンガポール)に就任。日系中堅・ベンチャー企業のアジア戦略・財務を支援する傍ら、新興アジア諸国にて多数のSME金融関連プロジェクトに従事し、マレーシア信用保証公社 JICAアドバイザー(クアラルンプール)、ベトナム信用情報センター 世界銀行コンサルタント(ハノイ)、インドネシア経済調整庁 MSME金融包摂アドバイザー(ジャカルタ)、ミャンマー経済銀行 SMEファンド助言チームリーダー(ネピドー&ヤンゴン)等を歴任。現在、エンジェル投資家/アドバイザーとして複数のフィンテック企業(ロンドン、ニューヨーク等)の経営に関与。ポルトガル政府公認ビジネスエンジェル(アヴェイロ拠点のエンジェル投資家団体REDangelsに所属)。APEC関係機関であるPBEC(太平洋経済委員会)メンバー。マレーシア在住、エストニア居住。