たとえば、副業を行いたい社員がいるとします。普通は副業よりも会社の本業の方が忙しいわけですから、時間的・体力的・精神的にこれ以上働きたいとは思いません。そのなかで副業をしようとする理由は、おそらく“もっと稼ぎたい”ではないでしょうか。

“もっと稼ぎたい”にもいろいろな動機があるでしょう。たとえば、「本業の給料では足らない」「独立資金を貯めたい」「本業がつまらないので他で稼ぎたい」「他で自分の能力を試したい」などです。

本業が忙しくても、他でも収入を得たい。これは誰も否定できることではなく、人間の本源的な欲求ですから、本業でしっかり業績を上げていれば、副業することは何も問題ないはずです。

他方、本業の方で十分に稼げているか、将来給料が上る見込みもあるとしましょう。こうした場合、金銭的な理由で副業をする社員はほとんどいないはずです。筆者も30数年前の新入社員の頃は、転職は考えても副業は考えませんでした。

というのも、会社の業績が堅調で毎年給料は上がっていましたし、副業といっても今のような多様な副業ができる環境ではありませんでした。そして本当に能力ある方は、さらっと転職するか起業するかして収入を増やす方向に転身していきました。

参考:米国人が副業をする理由~若年層ほど経済的な理由で副業をする傾向

出典:CNBC "The top reason people start a side business may not be what you think"(2018年9月28日時点)