モラハラ被害者が知恵を使うためには

では、ヤギはどうしたらオオカミに食べられないようになるのか。

モラハラ対策については、多くの本が発売されていたり、ブログや無料メールマガジンなどがある。童話のヤギたちが知恵を使ったように、まずは知識を取り入れることが先決だろう。

モラハラに合う人は、ハラスメントのターゲットになりやすい人も多い。周囲にはモラハラ以外に「パワハラやセクハラにあったこともある」「友人もマウント好きな人がいる」という人がいる。今後、他の場所でハラスメントに合わないようにするためにも、モラハラ対策の本を読みこんでおくことはおすすめだ。

モラハラ被害は少なくないので、周囲に相談したり、自治体の女性相談センターに相談するのも良いだろう。ただし軽く捉えられたり、相手によっては「努力が足りない」など古風なアドバイスが出るだけの可能性があるので、人を選んだり具体的な内容をメモして話をするようにしたい。

とはいえ、モラハラ被害者と加害者は対極のところにいるので、「相手を理解できる」とは思わない方が安全かもしれない。オオカミとヤギは、分かり合えることはほぼない。会ってしまえば、オオカミはヤギを食べる。会わないこと、距離をとることが一番手っ取り早く、かつ安全で、モラハラ被害者の心の負担が少ない手段だといえるだろう。

永山京子