「子どものために我慢しなきゃいけない」「子どものために、あれもこれも諦めなきゃいけない」そう思って毎日を過ごしてしまうのは、母親にとっても子どもにとっても、決して良い環境だとはいえません。

でも、「我慢するのが当り前、あきらめて当然。だってそれが母親なんだから」なんて言われてしまうと返す言葉もなくなってしまいますよね。

では、少し考え方を変えてみましょう。

「他の人なら我慢できないけど、これは我が子だから我慢できること」
「我が子のためだから頑張れる」

そんなふうに思考をチェンジできないでしょうか?

たとえば隣人の騒音がうるさくて眠れない、となると許せませんよね? でも、我が子の夜泣きなら、しんどいけれど、辛いけれど「起きなきゃ」と気合いを入れられませんか? それはあなたが、自分の睡眠時間を犠牲にしてまで我が子に奉仕しているわけではないのです。あなたが、我が子のために起きて抱っこしてあげることを選択したのです。

「子育ては自分を犠牲にすること」

この考え方はまったく間違っているとは言えません。でも、自分の時間や欲求を何でもかんでも我慢する必要はないと思います。

「子どもの気持ちが一番」「子どもファースト」

これもおっしゃる通り。でも、「子どもを一番に考えなければいけないから、夫や自分のことは二番、三番に」と思う必要はないのです。

「子どもが一番、自分も一番」

これでいいのではないでしょうか?

子どものことは大切。だから毎日公園だって連れていくし、繰り返し同じ絵本を読んであげるし、夜泣きしたらあやしてあげる。でも、自分のことも大切だから、心が悲鳴をあげそうになったら、夫や実家、もしくは民間の施設に頼んで自分の心と体を休める時間を確保する。それでいいんです。あなたが「いい」と思うのなら、それが正解なのです。

子どもの幸せは、母親の自己犠牲の上でしか成り立たないのか? その答えは「No」です。なぜなら、子どもは、ママと「一緒に」ハッピーでいたいのです。

極論に振り回されないで

「自分を犠牲にしてまで子育てしたくない」というのは決して「自分のしたいことを優先したいから、子どもの気持ちは無視する」ということではありません。子どもが大切だからこそ、自分を大切にしてあげてほしい、筆者はそう思います。

「自分を犠牲にしなきゃいけないの?」「自分の幸せについて考えるのはワガママなの?」なんて悩んでいるお母さん。
そんなふうに悩むことこそ、あなたが子どもを愛している証拠。子どもの笑顔のために、どうか自分が幸せでいることをあきらめないでくださいね。

大中 千景