給料はなかなか上がらないのに、少しずつ物価が上がり、10月には消費税の増税を控えるなど日々の暮らしが厳しくなりつつあることを実感している人も多いのではないでしょうか。

そんな中でも、今や人生100年の時代、長生きすることも考慮して老後資金をきちんと用意しておく必要があります。日々の暮らしで精一杯で、老後のことは不安だけれど何も用意できていない…という方のために今から始めておきたいことを紹介します。

老後は何が心配なのか?

2018年11月に金融広報中央委員会(事務局 日本銀行サービス局内)から発表された「家計の金融行動に関する世論調査」[二人世帯以上調査](2018年)」には「老後の生活への心配」という項目があります。

それによると、二人以上の世帯で「老後の生活への心配」の質問に「非常に心配している」と回答した人は36.2%、「多少心配である」は43.0%、「それほど心配していない」は19.8%と、「心配である」(「非常に心配である」と「多少心配である」の合計)は約80%となっています。

また、老後を心配している世帯にその理由を聞いたところ、「年金や保険が十分ではないから」が72.6%、「十分な金融資産がないから」が69.0%、「現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していないから」が37.0%、「退職一時金が十分でないから」が26.0%など、お金に関する不安が強いことが見て取れます。

老後の不安を軽くするためにできることは?

積立貯蓄で老後資金を貯める

老後資金に必要な金額の目安はよく3000万円と言われます。ただ、既婚か独身か、年金の受給額、退職金の金額、持ち家か賃貸か、住む場所の物価などで実際に必要になる金額は大きく変わってきますので、一概に”いくらあればいい”とは言えません。

一方で、現在の年金制度は少子高齢化の影響でこのままの水準を保てるかどうか分かりませんから、主に年金を原資として質素に生活するつもりの人も少し余分に用意しておいたほうが安心です。また、定年から年金受給開始時期までの間の資金を用意しておかなければいけないことも頭に入れておく必要があります。

老後資金の貯蓄をするためには、他の目的の貯蓄とは分けて積み立てをすると管理しやすくなります。通常の預貯金でももちろん良いと思いますが、老後資金としては原則60歳までは積み立てたものを引き出せないiDeCo(個人型確定拠出年金)もおすすめです。

iDeCoは、掛金を拠出するとき、運用益が出たとき、受け取るときの3段階で節税効果の恩恵を受けられるので、通常の預貯金や証券口座などで投資をするよりも税金の節約ができるのが特徴です。iDeCoでの運用で元本割れのリスクが怖いという方には、運用利回りは良いと言えませんが、定期預金のような元本確保型商品も選択できます。

老後の生活基盤と収入源をつくる