2025年10月を迎え、今年も残りわずかとなりました。秋の深まりとともに、来年の家計や老後の備えについて考える機会も増えるのではないでしょうか。

長引く物価高騰は家計を圧迫し続け、特に年金生活を送る高齢者の方々にとっては厳しい状況が続いています。公的年金は老後の生活を支える柱ですが、その受給額だけでは生活が苦しいと感じる方も少なくありません。

そうした状況を国も認識しており、消費税率引き上げの財源を活用した支援制度として年金生活者支援給付金があります。

これは、老齢年金、障害年金、遺族年金を受給している方のうち、前年の所得が一定基準額以下である場合に、年金に上乗せして支給されるものです。

今回の記事では、この年金生活者支援給付金の制度概要から支給要件、具体的な給付額、そして申請手続きについて詳しく解説します。

1. 年金生活者支援給付金とは?

老齢年金・障害年金・遺族年金を受給中の人で、前年の所得が一定基準額以下の場合、年金に上乗せして受け取れるのが「年金生活者支援給付金」です。

年金は2ヶ月ごとに支給されるため、該当すれば2ヶ月ごとに給付金も受け取れるということです。

年金生活者支援給付金は2019年10月に始まったもので、当時消費税が8%から10%に引き上げられました。

年金生活者支援給付金の財源はこの消費税の引き上げ分であり、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」の第4条でも次のとおり明記されています。

「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

現在の年金生活者支援給付金制度が始まったのは、2019年10月です。同時期には、消費税が8%から10%に引き上げられており、この引き上げ分の税収を用いて、対象者に支給されています。