株式市場の振り返り-日経平均株価は反発するものの、前日の下落分をカバーできず

2019年1月11日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,359円(+195円、+1.0%) 反発
  • TOPIX 1,529.7(+7.7、+0.5%) 反発
  • 東証マザーズ総合指数 889.8(+4.0、+0.5%) 反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,033、値下がり銘柄数:1,003、変わらず:92
  • 値上がり業種数:28、値下がり業種数:25
  • 昨年来高値更新銘柄数:2、昨年来安値更新銘柄数:12

東証1部の出来高は12億9,595万株、売買代金は2兆5,029億円(概算)となりました。出来高は概ね前日並みでしたが、売買代金は増加しています。米国株の5日続伸など好材料があったものの、様子見スタンスは依然として強く、盛り上がりに欠けた商いとなりました。

売買代金は2兆5,000億円を上回りましたが、ミニSQ算出に伴う嵩上げ分があったことを割り引くと、実質的には低調な金額だったと推察されます。

そのような中、日経平均株価は円高進行が止まったこと等を受け、終日プラス圏での推移となりました。前引け直前には一時+130円まで上げ幅を縮小しましたが、後場の半ばには一時+226円高まで買われる場面も見られました。ただ、最後は前日の下落分(▲263円)をカバーすることはできずに引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きで反発となりましたが、上昇率は日経平均株価を大きく下回って終わりました。これは、ミニSQ算出の影響を考慮すると、TOPIXの値動きの方が実態を表していたと考えられます。

東証マザーズ総合指数は反発、売買代金は4日連続の1,000億円超え

東証マザーズの出来高は8,810万株、売買代金は1,024億円となり、いずれも前日より小幅減少となりました。商いは前日より減ったものの、引き続き個人投資家の物色意欲に改善の兆しが見られ、売買代金は4日連続で1,000億円を上回りました。

また、総合指数も反発となり、再び900ポイント回復が視野に入りました。今後は引き続き、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになると思われます。

ファーストリテイリングが急騰、良品計画は急落して連日の昨年来安値更新

個別銘柄では、前日にQ1の決算発表を行ったファーストリテイリング(9983)が、減益にもかかわらず一時+7%超高の急騰となって株価指数上昇に寄与しました。

また、決算発表とは関係ないハイテク株にも急騰が目立ち、オリンパス(7733)が一時+11%超高の爆騰、シャープ(6753)が一時+12%高の爆騰、英国の原発事業見直しが報じられた日立製作所(6501)が一時+9%超高の急騰になるなど、相場全体を盛り上げたのが目を引きました。

その他では、数少ない製造業の2月決算銘柄である安川電機(6506)が通期業績見通しを下方修正したものの、終値では+2%弱高になるなど悪材料出尽くしと受け取られたようです。

一方、ハイテク株では村田製作所(6981)が大幅続落となり、NEC(6701)も小安く終わりました。

また、前日のQ3累計決算発表で営業赤字に転落した吉野家ホールディングス(9861)が▲6%安に迫る急落となっています。

その他では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、ローソン(2651)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)のコンビニ3社が揃って大幅安となったのが目立ちました。

なお、前日に暴落した良品計画(7453)は一時▲5%安に迫る急落となり、連日で昨年来安値を更新しています。

新興市場(東証マザーズ)では、前日にストップ高となったブライトパス・バイオ(4594)が反落となり、サンバイオ(4592)も値を下げました。一方、SHIFT(3697)が値を飛ばしてストップ高で引け、ASJ(2351)も一時ストップ高まで買われましたが、その後は売りに押されています。

葛西 裕一