葬式で「最後だから自由にしたい人」vs「最後だから形を重んじたい人」

ビジネス、今日のひとネタ

先日、ウエディング事業を行っている株式会社CRAZYや、キングコングの西野亮廣さんのツイートなどをきっかけに、「結婚式に自由を」という言葉が大きな話題となりました。これは、「ご祝儀は3万円」「外部からカメラマンを連れてくる際には持ち込み料が発生する」などの、結婚式の決まりや暗黙の了解に疑問を投げかけるものでした。

みなさんが、このような決まりに疑問を持つことは非常に良いことではないでしょうか。しかし、結婚式だけでなく、人生で一度は参列するであろう「葬式」にも同じことが言えるかもしれません。

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「喪服は黒」は誰が決めた?

みなさんは、葬式には黒い喪服を着ていくのが当たり前だと考えているのではないでしょうか。ですが、実は喪服は戦前までは、白色でした。また、着用も遺族のみだったようです。それが、欧米諸国の影響で黒色のものを着用するようになり、誰が決めたのかもわからないマナーが広まった結果、参列者も喪服を着用するようになったのです。

実際に、葬式に喪服を着ていくことに疑問を抱く人や、そうした人を参列者として迎える遺族の中には、

・参列者には喪服じゃなくて好きな服を着させてあげたい
・喪服を買いにいくという行為自体が嫌。誰かの死のための準備をしたくない
・葬式は急に開かれるものだし、喪服の準備がすぐにできない場合もある

といった意見を持っている人もいるようです。

葬式は厳粛に行われるべき!?

葬式が行われている間、親族及び参列者は静かに死を悲しまなければならないというのが一般的ですよね。確かに言うまでもなく、故人を弔うのが葬式ですが、故人側が従来の葬式の雰囲気を求めていない場合もあるようです。

たとえば、

・みんなが時間を割いて集まってくれたからには楽しいものにしたい
・葬式では故人が好きだったロックバンドの曲を流したい
・最後くらい楽しくやりたい

と、厳かな雰囲気とは真逆の「楽しい葬式」を望む人が、特に若い世代を中心にいるようなのです。

そもそも、以前の葬式は、故人の自宅で行われるのが一般的でした。お通夜は、夜通しロウソクや線香の火を絶やさないように遺族などが交代で寝ずの番をするという形でした。

しかし、斎場で行うことが一般化し、お通夜には近親や近所の人だけでなく、勤め先の同僚・上司といった会社関係、幅広い友人関係の参列者も多くなりました。そのため、そうした人も参列しやすいように18時・19時といった比較的早い時間から始め、夜通しではなく日付が変わらないうちに参列者が退席する「半通夜」という形式が近年は一般的になっています。

口には出しづらいけど……

「人を弔う場の不満」を言葉にすることには抵抗があるとは思いますが、上記の中にはみなさんが共感する意見もあったのではないでしょうか。

他にも、

・葬式にかかるお金が高すぎる
・霊柩車で運ばれたいとは思わない。自家用車で問題ない

などの意見を口にする人もいて、葬式への考え方は人それぞれという感じがあります。

ほかにもさまざまな形式の葬式が

最近では、いわゆる葬儀は近い親族のみで行う「家族葬」とし、よりカジュアルな「お別れの会」などに近親以外の人を招く形式や、葬式自体を行わずに「直葬(火葬のみ)」を行う形式を選ぶという人もいます。また、少し意味合いは異なりますが、著名な人の場合は、その人の意思で社会的な活動にピリオドを打つ「生前葬」などを行う場合もありますね。

ただ、特に葬儀を行わない場合は、故人が亡くなったことを知らされていない人から「なんで知らせてくれなかったのか!」と怒られる場合も意外とあるようです。また、後から知った人がバラバラにお悔やみを言いに故人の自宅を訪れることで、かえって遺族の負担が増えるという話もあります。

慣習が根強く残る分野だけに、故人や遺族だけが「こうしたい」と思っても、そうした思いが周囲の人たちにはなかなかうまく伝わらないことも多いようです。

いずれにしても、故人・遺族・参列者といった人たちの多くが、心から納得できる葬式が行われるといいですね。

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。