5. 老後に向けてできること:年金に頼りすぎない
70歳代の生活資金源は圧倒的に公的年金ですが、次いで「企業年金、個人年金、保険金」そして「金融資産の取り崩し」と続きます。
老後に向けて「何となく貯金しないとな」「元気なうちは働き続けようかな」と漠然と考えている方もいると思いますが、一度シミュレーションしてみることが大切です。
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」という調査では、公的年金・恩給だけで100%生活できている高齢者世帯は41.7%であることがわかっています。
約6割の高齢者世帯が年金収入だけで生活できていないことを踏まえ、年金以外の生活資金源を確保しておくことはとても大切だと言えるでしょう。
退職間際に資産を形成するのは簡単ではないので、現役時代のうちからコツコツと準備をすることが重要です。
ねんきんネットなどで年金見込額を把握し、不足額を確認した上で、これからの対策について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
太田 彩子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。(2025年6月2日更新)