75歳以上の方は、公的医療保険制度として後期高齢者医療制度に加入します。窓口の自己負担割合は原則として1割に抑えられますが、昨今は月々の保険料が増加しています。
今後も保険料の増加が続くと考えられるだけでなく、2026年4月からは「子ども・子育て支援金」の徴収も開始される予定です。
1. 【基礎知識】後期高齢者医療制度とは?対象者や仕組みを解説
後期高齢者医療制度とは、75歳以上の方(一定の障害がある方は65歳以上)を対象とした公的医療保険制度です。
後期高齢者医療保険の加入者は、自己負担割合は原則として1割です(現役並み所得者は3割、一般所得者等のうち一定以上の所得がある人は2割)。高齢期において、医療費の負担を抑えるうえで大切な役割を果たしています。
なお、2022年10月から、75歳以上で一定以上の所得のある方の医療費の窓口負担割合が、1割から2割になりました。医療費の窓口負担割合が引き上げられた理由は、現役世代の負担を少しでも減らし、全ての世代が安心して医療を受けられる社会を維持するためです。
少子高齢化が進展する中で、経済の停滞を防ぎつつ医療サービスの質を維持するために、見直しが加えられました。
2. 2025年は後期高齢者医療保険料が上昇
後期高齢者医療保険の財源構成は、「公費50%・現役世代の負担40%・後期高齢者の保険料10%」となっています。今後ますます少子高齢化が進展し、社会保険制度の維持が困難になることを考えると、加入者の負担増は免れないでしょう。
実際に、2025年度に関しても2024年度から1.6%の増加となっています(全国平均)。
保険料負担が重くなれば、家計において自由に使えるお金は減ります。限られた年金で生活している方は、これまで以上に健全な家計運営をする意識が求められるでしょう。
3. 2026年には「子ども・子育て支援金」負担は?対象や納付額も
2026年4月からは、「子ども・子育て支援金」の徴収がスタートします。「子ども・子育て支援金」とは、子育て支援を充実させるための財源を確保する仕組みです。
この支援金は、公的医療保険(健康保険、国民健康保険など)に加入している人が納める保険料に上乗せされるような形で徴収されます。後期高齢者医療保険に加入している方も対象となるため、2026年4月以降はさらに負担が重くなります。
なお、政府の資料によると後期高齢者1人あたりの支援金の見込額は、以下のとおりです。
- 2026年度:平均月額200円
- 2027年度:平均月額250円
- 2028年度:平均月額350円
月々数百円程度とはいえ、家計の負担増となる点は押さえておきましょう。今後も後期高齢者医療保険料の上昇が行われる可能性とあわせて、家計への影響を想定しておく必要があります。
4. まとめにかえて
後期高齢者医療制度は75歳以上を対象とした公的医療保険で、自己負担割合は原則1割に抑えられています。しかし、少子高齢化の進展により、所得が一定以上の方の自己負担割合が高くなっています。
制度を維持するために、2025年度の保険料は前年度比1.6%上昇しました。さらに、2026年4月からは子ども・子育て支援金の徴収も開始され、後期高齢者1人あたり月額200円から段階的に350円まで負担が増える予定です。
限られた年金収入で生活する高齢者にとって、これらの負担増は家計を圧迫する要因となります。これまで以上に、健全な家計管理が求められる状況といえるでしょう。
参考資料
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室「子ども・子育て支援金制度について」
柴田 充輝