多額の資金をどのように運用すれば将来に役立てられるのか、悩んでいませんか?
老後の生活費や子どもの教育費、夢の実現に向けた資金づくりなど、目的は人それぞれです。
本記事では、一括投資と積立投資を上手に組み合わせて資産を拡大するポイントを事例とともに解説します。
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1. まとまったお金を運用する目的を定めよう
まとまったお金を運用する際は、まず「何のために、いつまでに、どれほど必要になるか」をはっきりさせることが重要です。
老後資金や教育資金、住宅購入など、目的の違いによりリスク許容度や投資期間が変わります。自分にとって最適な運用スタイルを選ぶために、資金を必要とする時期や金額を事前にしっかりイメージしておきましょう。
1.1 老後資金の把握は必須
厚生労働省「簡易生命表の概況(令和5年)」によると、男性の平均寿命は81歳前後、女性は87歳ほどとされています。
仮に65歳から退職生活とすると、20年以上にわたる生活費をカバーする必要があります。たとえば、月々の支出が年金収入より2万円多い場合、2万円×12カ月×20~25年=480万~600万円が追加で必要になる計算です。
2. 一括投資と積立投資の特徴を比較しよう
多額の資金を運用する場合、代表的なのが「一括投資」と「積立投資」です。一括投資はまとまった金額を一度に投じるため、相場の上昇局面で効率よく増やせる反面、暴落のリスクも高め。
一方、積立投資は定期的に一定額を投じることで、相場の変動リスクを平準化できます。どちらが自分に適しているかを見極めることが大切です。
2.1 一括投資のメリット・デメリット
一括投資は、大きなリターンを狙える反面、相場が急落した際に損失も大きくなりやすい方法です。とはいえ、投資経験が豊富でリスク許容度が高い方には、複利効果や運用効率を高めやすい利点もあります。
投資期間が長く確保できるのであれば、安定的な資産へ配分するなどリスク管理を行いながら運用するのが望ましいでしょう。
2.2 積立投資のメリット・デメリット
積立投資は、毎月など一定サイクルで少額を投じるため、相場を細かく分散しながら買い付けできるのが魅力です。価格上昇時にはより多くの利益を得にくい反面、下落局面でもダメージを抑えられます。
長期的にコツコツ資産を育てたい人や投資の初心者に向いています。しかし、即時に大きな利益を狙うのは難しい点を理解しておきましょう。
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3. 一括投資と積立投資を組み合わせる利点
まとまった資金がある場合は、一括投資で安定資産を押さえながら、並行して積立投資で成長性を狙う方法がおすすめです。運用手法を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを取りやすくなります。
例えば、一括で債券を買って安定収入を確保し、投資信託を毎月積み立てて成長のチャンスを狙うといった戦略が考えられます。
4. 効果的な組み合わせ運用のポイント
4.1 ポイント① 毎月の貯金の一部を長期・積立・分散投資
積立投資をする際は、「長期保有」「時間分散」「商品分散」の3点を意識しましょう。長期間にわたって投資を続けることで、価格変動の波を捉えやすくなります。
また、毎月一定額を分散投資することで、購入価格を平準化し、大きな値下がりに戸惑わずに済む可能性が高まります。
4.2 ポイント② まとまったお金の一部を低リスク資産に一括投資
余剰資金がある場合、債券などの比較的リスクが低い金融商品を一括で購入する方法も有効です。証券会社や銀行を通じて国債や社債を保有すれば、利息収入や満期時の元本返済を受け取れます。
ただし、発行体の信用リスクや金利変動リスクはゼロではありません。あらかじめ運用期間や目標利回りを検討しておきましょう。
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4.3 ポイント③ 複利効果を活かす
投資で生まれた利益を再投資すると、利益がさらに利益を呼ぶ“複利効果”が期待できます。運用期間が長いほど、この効果は大きくなり、ゆっくりでも長期的に資産が増大する可能性が高まります。時間を味方につけたい場合は、積立投資を継続しながら複利をフルに活用する仕組みを整えることが大切です。
5. 具体的な投資先の例
5.1 一括投資① 債券
債券は国や企業が資金調達のために発行する有価証券で、購入者は利子を受け取りながら満期時に額面が戻ります。定期的な利息収入が期待できるうえ、市場で売買して価格差益を得ることも可能です。
ただし、発行体の信用リスクや金利の変動リスクなどもあるため、購入前に債券の種類やリスクを確認しましょう。
富裕層向けの債券も存在
証券会社の扱う債券の中には、資産要件を満たした投資家だけが購入できる高条件のものがあります。また、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)と提携することで、限定的な利回りの高い債券などへアクセスできるケースも。手数料や商品の条件を比較検討し、慎重に選びましょう。
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5.2 一括投資② 貯蓄型保険
貯蓄型保険は、生命保険の保障と資産形成を両立できる商品です。終身保険や個人年金保険などが代表的で、保険料の一部が積み立てられ満期金や解約返戻金として受け取れます。ただし、途中解約すると元本割れするリスクもあるため、契約期間と目的を明確にして活用しましょう。
5.3 積立投資① NISA
NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つが利用できます。つみたて枠は少額からコツコツ投資できる投資信託が対象で、非課税メリットが大きいのが魅力です。
一方の成長投資枠では、一括投資的に株式などへ投資可能です。非課税の上限額が広がる分、長期で大きなリターンを狙える可能性があります。
5.4 積立投資② iDeCo
iDeCoは自ら掛金を出し、投資信託や預金などで運用し、原則60歳以降に受け取る年金制度です。掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となるため、高い節税効果が特徴です。
したがって、長期的にじっくり資産を増やしたい場合に適しています。しかし、基本的に60歳まで引き出せない点には注意が必要です。
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6. 金額別・運用事例
6.1 500万円の運用事例
例えば、29歳の独身フリーランスで貯金が500万円ある人の場合、毎月の積立投資をNISAで3万円行い、300万円を債券に一括投資するという組み合わせが考えられます。
積立投資は年利5%、債券は年利4%を想定して30年運用すると、合計で数千万円規模の資産を目指すことも可能です。ただし、あくまで試算であり確約ではありません。
6.2 1000万円の運用事例
38歳の夫と39歳の妻が共働きで、貯金が1200万円あるケースを想定します。月3万円をNISA、月2万円をiDeCoに積立しながら、余裕資金700万円を外貨建て債券や終身保険に振り分ける方法です。
積立投資の非課税と保険や債券の安定性を両立させることで、老後に5000万円超の資産形成を目指すプランも検討できます。
6.3 1億円の運用事例
60代ですでに1億円近い資産を保有している場合、相続対策まで視野に入れた運用が求められます。外貨建て終身保険に加入することで、保険金の非課税枠を活用しながら資産を残す手立てになるでしょう。
さらに、債券やNISAでの投資信託を組み合わせれば、年金+αの安定収入を確保しつつ、将来の医療費などにも備えられるでしょう。
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7. まとめ
まとまったお金を運用するなら、まず目的や時期を明確にしてから、一括投資と積立投資の特徴を理解しましょう。
どの程度のリスクを負えるかによって、債券や保険、NISAやiDeCoなどの選択肢が変わります。投資方針が定まらない場合は、お金のプロに相談してみると、より適切なプランを導き出せるでしょう。
なお、最適な資産運用方法は、年齢やライフステージ、資産状況によって異なります。自分の将来に必要な金額や今からやるべき資産運用について、事前に考えておくのがおすすめです。
参考資料
マネイロ編集部