5. 老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」になりやすい
厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」を見てみると、
- 60歳代:78.3%
- 70歳代:64.1%
- 80歳代:47.5%
と、年代が上がるごとに、住民税が「課税される世帯」の割合は下がっていきます。老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」となりやすいと言えるでしょう。
要因としては、現役時代よりも収入が減って住民税の課税基準を下回ることが多いからと考えられます。
また、遺族年金が非課税であることや、老齢年金には各種控除枠が大きく設けられていて課税対象となる所得が減少することも、要因の1つでしょう。
ただし、住民税非課税の判定の基準はあくまでも「収入」。
預貯金をたくさん持っているお金持ちシニアでも、年金収入が基準額以下で住民税非課税となる場合は、今回の給付金の支給対象に含まれることになります。
住民税非課税世帯に該当する世帯について見てきましたが、ここで注意したいのは、住民税非課税世帯は高齢者だけではなく、幅広い年齢層が含まれるという点です。
また、住民税非課税世帯が受けられる支援は、今回のような一時的な給付金だけではなく、多岐にわたります。下記のような公的な優遇措置についてもチェックしておくとよいですね。
- 国民健康保険料(応益割)の減額
- 介護保険料の減額
- 国民年金保険料の免除・納付猶予
- 幼児教育・保育の無償化
- 高等教育の修学支援新制度
これらの支援措置を活用することで、生活費の負担を軽減することができるでしょう。
6. 【参考】国民年金は65歳になると年金は自動的に受けられますか?
老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」に該当しやすいとお伝えしました。ここでは、若い世代が最低限知っておきたい「年金」の基本について、説明します。
6.1 Q 国民年金は、65歳になると年金は自動的に受けられるのですか。
→A 年金を受け取るには手続きが必要です!
年金は、自動的に支払われるものではありません。年金を受け取るためには、ご自身で手続きを行う必要があります。
国民年金の請求手続きは、お住まいの市区町村役所の国民年金窓口で行います。ただし、第3号被保険者期間がある場合は、年金事務所または街角の年金相談センターで手続きを行います。
原則として、65歳の誕生日を迎えた後から年金の請求手続きを行うことができます。
年金を受け取るためには、ご自身で手続きが必要であることを覚えておきましょう。
7. まとめ
本記事では、物価上昇率と給付金制度について確認してきました。
直近の生活の心配事について関心がいきがちですが、老後の生活についても同時進行で備えていけることが理想です。
無理のない範囲で少額ずつ積み立てができるように家計を改めて見直してみましょう。
最近では、資産運用を活用する方も増えてきたように感じます。
NISAやiDeCoなどの税制優遇を受けながら準備していく方法もありますし、個人年金保険料控除などを活用できる方法もあります。
ご自分に何が合っているのかをしっかり判断していきましょう。