5. バランスよい資産配分でどんなリスクにも備えましょう
ここまでで、公的年金の仕組みと、各年代の年金受給額について確認してきました。
実際の年金受給額には個人差がありますが、国民年金のボリュームゾーンは6～7万円台、厚生年金のボリュームゾーンは10～11万円台となっています。
生命保険文化センター「2022（令和4）年度 生活保障に関する調査」によると、「ゆとりある老後生活費」※の平均は月額37万9000円でした。これを考慮すると、公的年金のみでゆとりある生活を送ることができる世帯はそこまで多くないことが予想されます。
公的年金だけでまかないきれない部分に関しては、自身の資産を取り崩しながら生活していく必要がでてくるかもしれません。そのため、老後生活がスタートする前にどれだけ自分の資産を準備できているかが、重要なポイントになってきます。
将来の資金形成をするための手段は様々なものが用意されています。特にNISAやiDeCoなどの資産運用を活用しながら準備していくことも可能ですが、どちらの制度も老後まで健康なまま、継続して積立していくことが前提になっています。
運用途中で、万が一大きな病気やケガをしてしまった場合、収入が減少することで、積立が継続できなくなってしまう可能性ももちろん考えられます。
預貯金・保険・投資を上手に組み合わせ、運用のリスク・健康上のリスクにそれぞれ備えながら準備していきましょう。
※ゆとりある老後生活費：「老後の最低日常生活費」と「老後のゆとりのための上乗せ額」の合計
