仕事のあり方として「正規雇用」もしくは「非正規雇用」かは話題に上りがちです。今回は2018年7月13日に公開された総務省統計局の「平成29年就業構造基本調査」をもとに65歳以上で仕事に就いている人が多い都道府県について見ていくことにしましょう。

65歳以上の有業率とは

65歳以上でも仕事があるというのは幸せという方もいるでしょうし、早く引退することが目標という方もいることでしょう。ここでは、65歳以上でありながら仕事についている比率の高い都道府県を見ていきたいと思います。

その前に、「有業率」とはなんでしょうか。

有業率とは、有業者数を15歳以上の人口で割ったものです。

有業率=有業者数÷15歳以上の人口

では、有業者とはどのような定義でしょうか。

総務省の同資料では有業者を「ふだん収入を得ることを目的として仕事をしており、調査日以降もしていくことになっている者及び仕事は持っているが現在は休んでいる者」とされています。

65歳以上の有業率の高い都道府県トップ5

以下、65歳以上の有業率トップ5の都道府県ランキングです。ちなみに全国の同比率は24.4%となります。つまり、全国で見ても4人に1人は65歳以上でも仕事に就いていることになります。60歳で定年の企業もありますが、すでに65歳以上でも仕事についている人が25%程度いることを考えれば、「60歳で定年退職」というのは制度として現実にあっていない可能性もあります。

  都道府県(%)
1 長野県(30.4%)
2 山梨県(30.3%)
3 福井県(27.8%)
4 東京都(27.7%)
5 栃木県(27.3%)、岐阜県(27.3%)

統計データからのインサイト

全国平均が25%程度なので、トップの都道府県である長野県とは5%ポイント程度異なるわけですが、地理的条件だけを見ると内陸部の都道府県の有業率が高いのが興味深いです。加えて、東京都は都心部で人口が多いという条件がありながら有業率が高く、就業機会の多さを表す結果となっています。

青山 諭志