女性が集まれば必ず始まるといっても過言ではないのが「マウンティング」。ママ友の世界でも例外ではありません。夫の職業や住んでいるエリア、子供の成績などで優劣をつけたがるママは一定数いるのです。

最悪の場合、本人だけでなく子供の交友関係にまで悪影響を及ぼしてしまうママ友マウンティング。その恐るべき実態と、愛する家族や自分をマウンティングから守るための対処法をご紹介します。

実例その1:夫の職業を鼻に掛ける

5歳の男の子のママ、Aさん(32歳)。子供が通う私立幼稚園は、ママのためのサークルがいくつかあります。お菓子作りが好きなAさんは何も考えず、園のお菓子サークルに参加しました。

しかし、このサークルがクセモノ。サークルの会長は、夫が市会議員をしている園でも有名なボスママ。副会長、会計のママも夫が医師だったり、弁護士だったり…。入会してすぐの茶話会で、Aさんたち新入会員は「ところで、ご主人の職業は?」と聞かれたのだとか。何も考えずに「会社員です」と答えると、「え! ヒラ?」と聞かれて絶句したのだとか。

その場は「主人は一切仕事の話はしないので…」と言葉を濁してしのいだそうですが、そこからが地獄。週に1回のサークル活動の日にはお菓子を作った後にみんなで食べるのですが、そこでは必ず夫の仕事の話が話題に。

「会長のご主人、新聞に載っていらっしゃいましたね」「市議会だより、読みましたよ」などと、取り巻きがボスママにゴマスリ。そのあとに、Aさんたち会社員ママに向かって「ご主人が時間をたくさんとれる家庭がうらやましいわ。この前も幼稚園行事に来ていらしたでしょ? 代わりがいる仕事をしている人はストレスもないんでしょうね」などとチクリ。

いつの間にか後片付けはAさんなど自称会社員ママの役割になっていたのだとか。「やってられない」とばかりにサークルを辞めたAさん。以来、園行事や道でサークル関係の人に会っても無視されるようになったのだそうです。「しょっちゅう会うわけでもないし、あんな人たちとは関わりたくないから無視されて好都合ですよ」とさわやかな顔で語ってくれたAさんでした。

実例その2:後輩に厳しく当たる

6歳の女の子を持つMさん(35歳)は、友人からの紹介で娘をバレエのレッスンに通わせることに。近所の集会所を借りて週に1回行われるレッスンは、舞台の衣装を手作りしなければならないのがちょっぴり大変だけど、先生も優しく子供は喜んで通っているといいます。

しかし、問題なのがそこに通っているママ。レッスン歴が長い「先輩ママ」にはゴマをすり、自分よりも後に入ってきた「後輩ママ」には厳しく当たるのだそう。

先輩ママには率先して挨拶をするのに、後輩ママが挨拶しても無視。後輩ママの子供が先輩ママより高いトゥシューズやウエアを着ていたら、ママに聞こえるように「生意気だ」などとチクリ。発表会の日に後輩ママが控室に入ると「ここは子供が3年以上通っているママしか入っちゃダメなの! 楽屋が狭くなるじゃない!」と一喝。

幸い子供の人間関係やレッスンには影響がないので黙認しているけれど、はっきりいっていつか爆発してしまいそうです…とMさんは語気に怒りをにじませていました。

相手に優越感を抱かせてあげて

マウンティングしたがる女性は、「どうにかして勝ちたい」「人の上に立ちたい」という意識が人一倍すごい人。そんな相手と同じ土俵に立つ必要はありません。

相手の言葉への返答は「すごいですね!」「うらやましいなぁ」でOK。相手は自分が優位に立ったとわかると満足するはず。ひと通り「すごいですね!」「さすがですね!」「私はまだまだだから…申し訳ありません」と繰り返し、相手が満足したすきに「では、私はこれで」とさっさとその場を立ち去りましょう。

相手に付け込まれたくないから、と見栄を張るのだけはやめましょう。見栄を張って取り繕うとだんだんとしんどくなってしまいますし、嘘をついてまで持続させるほどの価値はありません。マウンティングされているな、と感じたらとっととその場から離れて、相手とは一定の距離を保つのが吉。

子供同士が仲がいいから縁を切るのはちょっと…と思う場合は、とにかく相手のことをほめてあげて、自分の話はあまりしないでおくとよいでしょう。

まとめ:あくまでもママ友は「同業者」

ママ「友」という言葉に惑わされないで、あくまでも同じ期間に同じ子育てという役割を担っている「同業者」なのだ、と考え方をシフトチェンジしてみてはどうでしょうか。

そう考えると、躊躇なく一定の距離を保てる気がしませんか? 世の中は広いのです。全てのママがマウンティングママだというわけではありません。マウンティングママをうまくあしらう処世術を身に着けて、ときにはずるくふるまうこともストレスを溜め込まないためには大切です。

大中 千景