2018年7月30日に行われた、株式会社あおぞら銀行2019年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社あおぞら銀行 代表取締役社長 CEO 馬場信輔 氏
株式会社あおぞら銀行 取締役専務執行役員 CFO 関澤行雄 氏
2018年度3月期第1四半期決算説明会
馬場信輔氏:あおぞら銀行の社長の馬場でございます。
本日はお忙しいところ、当行のネットカンファレンスにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
また、投資家・アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。まず、最初に私からひと言、お話をさせていただきます。
銀行業界にとりましては、当期も厳しい経営環境が続いております。(その状況のなか)当行は、本年(2018年)5月に発表いたしました中期経営計画に沿って、ビジネスモデル「6つの柱」の各分野において、あおぞららしさに磨きをかける取り組みに注力しております。
Ⅰ.決算ハイライト
第1四半期の(連結)実質業務純益は、104億円。親会社株主純利益は、113億円となりました。それぞれ通期業績予想に対し、26パーセントの進捗と、まずは順調なスタートを切ることができました。
また、第1四半期の配当につきましては、1株当たり40円と決定いたしております。
当行グループは、今後とも健全なリスクテイクを支えるリスク管理を実践しつつ、ユニークで質の高い、あおぞららしい金融サービスの提供と新たなビジネス分野の開拓に取り組み、企業価値の向上を図ってまいります。
ステークホルダーのみなさまにおかれましては、引き続きご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
それでは、CFOの関澤より、決算につきましてご説明を申し上げます。
Ⅱ.損益:概要
関澤行雄氏:関澤でございます。
投資家・アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。
本日公表いたしましたニュースリリースに沿いまして、2018年度3月期第1四半期決算のご説明を申し上げます。
2ページの損益概要をご覧ください。
当期のトップライン、連結粗利益は、前年同期比3億円増加の220億円。経費は、前年同期とほぼ同水準の116億円。(連結)実質業務純益は、前年同期比3億円増加の104億円となりました。
与信関連費用は、一般貸倒引当金の戻入益計上等によりまして、7億円の利益。株式等関係損益は、51億円の利益。
法人税等は、54億円の費用となりまして、ボトムラインである親会社株主純利益は、前年同期比31億円減少の113億円となりました。
Ⅱ.損益:連結粗利益 - 資金利益 -
それでは、以下、個別項目についてご説明を申し上げます。4ページをご覧ください。
まず、資金利益でございますけれども、前年同期比で10億円増加し、140億円となりました。
運用サイドにつきましては、貸出金の平均残高が増加したことに加え、米ドル市場金利の上昇を受けた貸出金利回りの上昇によりまして、貸出金利息が前年同期比で23億円の増加。
有価証券利息配当金で、投信やETFの分配金などが寄与しまして、前年同期比で25億円増加したこと等によりまして、資金運用収益は前年同期比で47億円の増加となりました。
調達サイドにつきましては、預金や債券等の円貨調達に係る費用は、わずかながら減少しました。一方で、米ドル市場の金利上昇の影響によりまして、資金調達費用全体では、前年同期比で36億円の増加となりました。
利回りにつきましては、資金運用利回り・資金調達利回りともに、こちらも米ドル市場金利の上昇を受けて、前年同期比30ベーシスポイント程度上昇しております。Netの資金粗利鞘は、表の一番下のとおり、前年同期比2ベーシスポイント拡大し、1.44パーセントとなっております。
Ⅱ.損益:連結粗利益 - 役務取引等利益・特定取引利益 -
次に、5ページをご覧ください。
役務取引等利益につきましては、貸出関連手数料、投信・保険の販売に係る手数料とも、ほぼ横ばいで推移いたしまして、全体では、前年同期比で2億円減少の16億円となりました。
特定取引利益に計上される、仕組債販売に係る利益を含めた個人のお客様への投資性商品販売利益につきましても、前年同期とほぼ同水準の16億円となっております。
特定取引利益は、金融法人のお客様向けのデリバティブ関連商品の販売に係る利益が減少したこと等によりまして、前年同期比14億円減の22億円となりました。
この第1四半期は、金利のボラティリティが低いマーケットの状況が継続し、お客様の運用の様子見姿勢が目立つ状況となりました。しかし、引き続き金融法人のお客様の運用ニーズや事業法人のお客様のヘッジニーズに合わせたデリバティブ関連商品の提供および対顧取引をベースとしたトレーディング運営等により、安定的な収益確保を目指してまいります。
Ⅱ.損益:連結粗利益 - その他業務利益 -
続いて、6ページをご覧ください。
国債等債券損益は、REITの売却益計上等によりまして、前年同期比で5億円増加し、15億円の利益。
国債等債券損益を除くその他業務利益について、ここには通常業務以外で発生したワンオフの利益を含めまして、前年同期比で4億円増の26億円の利益となりました。
このうち組合出資損益につきましては、バイアウト関連が好調で、前年同期比で1億円増の28億円の利益と、引き続き堅調な推移となっております。
以上によりまして、連結粗利益は220億円。通期業績予想920億円に対する進捗率は、24パーセントとなっております。
Ⅱ.損益:経費
経費につきましては、注力分野における要員増強を図る一方、引き続きコストコントロールには努めておりまして、前年同期とほぼ同水準の116億円。通期計画520億円に対する進捗率は、22.4パーセントとなっております。
第2四半期以降にインターネット銀行事業の開業による経費増加を見込んでいることもあり、この通期計画520億円に対する第1四半期の進捗率はやや低めになっております。しかし、ほぼ計画どおりの進捗になっているということで、ご理解ください。
OHRは、52.7パーセントとなっております。この結果、実質業務純益は104億円となりました。
Ⅱ.損益:与信関連費用
続きまして、資料8ページをご覧ください。
当第1四半期の与信関連費用について、引き続き不良債権の新規発生はごくわずかにとどまる一方、債務者の状況改善等に伴う一般貸倒引当金の戻入益計上等によりまして、与信関連費用は7億円の利益となりました。
引き続き保守的な引き当て方針をとっておりまして、当第1四半期末の貸出金全体に対する貸倒引当金の比率は1.62パーセントと、引き続き高い水準を維持しております。
株式等関係損益につきましては、リクルート株式の含み益の一部を実現いたしまして、51億円の利益となりました。
今年度は、業績予想の実質業務純益と経常利益の数字でおわかりのとおり、期初から相応の金額の株式売却益の計上を想定しておりまして、計画に沿ったものとご理解ください。
法人税等は、54億円の費用。実効税率は、32.9パーセントとなっております。
若干テクニカルな要因で実効税率が高めになっておりますけれども、現在のところ通期で29パーセント程度という見込みには変更ございません。
以上の結果、概要でご説明いたしましたとおり、当期の親会社株主純利益は113億円と、通期業績予想430億円に対して、26.5パーセントの進捗となっております。
こちらを前年同期比で見ますと、31億円(の減少)、率にして21.7パーセントの減少と、若干大きな減少になっております。しかし、昨年度(2017年度)第1四半期は大口不良債権の回収による与信関連費用の戻りが大きかったということ、および前年同期に比べて税負担が増加していることによるものでございまして、想定どおりの進捗ということでご理解いただければと思います。
Ⅲ.バランスシート:概要
続いて、バランスシートについてご説明をいたします。
バランスシート全体の概要は9ページにて(まとめており)ご覧のとおりですけれども、主要項目については、10ページ以降をご覧ください。
Ⅲ.バランスシート:調達
まず、調達につきましては、引き続き機動的にボリュームをコントロールしております。預金・譲渡性預金、債券・社債の残高を合計したコア調達は、2018年3月末期から1,245億円増加いたしまして、当期末残高は、3兆3,530億円となりました。
このうち、個人のお客様からの調達が占める割合は54パーセントとなっております。
また、資料には記載がございませんけれども、個人のお客様からの調達に法人のお客様からの長期預金等を加えた安定調達比率は、こちらも70パーセント程度で安定的に推移しております。
Ⅲ.バランスシート:貸出 - 全体・国内業種別 -
続きまして、貸出金につきましては、(2018年)3月末比で236億円増加いたしまして、2兆6,348億円となりました。
国内向け貸出につきましては、3月末比で96億円の増加。海外向け貸出も139億円の増加となっております。
なお、海外向け貸出につきましては、リスク管理体制の強化を図りつつ、リスクとリターン(のバランス)が良好な北米のコーポレートローンや不動産ノンリコースローンを中心に、選択的に取り上げを図りました。一方で大口の期限前返済等もございまして、為替レートの変動による影響を除いた米ドルベースの貸出残高は、3月末比で約2億ドルの減少ということになっております。
貸出金全体に対する海外向け貸出の比率は、ほぼ横ばいの37.5パーセントということでございます。
Ⅲ.バランスシート:有価証券
続いて、14ページをご覧ください。
有価証券につきましては、ETFや投資信託の増加等によりまして、(2018年)3月末比で545億円増加の1兆1,943億円となりました。
当期末の評価損益は、株式含み益の一部を実現したこともありまして、3月末比で159億円減少し、424億円の評価益となりました。
なお、これまでもご説明しておりますけれども、株式の一部と日本株ETFについてはヘッジをしております。ヘッジ手段の評価損益を含めたネットの評価損益は68億円となっております。
Ⅱ.損益:与信関連費用
続きまして、8ページをご覧ください。
金融再生法開示債権につきましては、(2018年)3月末比で約2億円減少して67億円。開示債権比率は、0.01ポイント低下いたしまして、0.25パーセントとなっております。
後日発表させていただきますけれども、当期末の連結自己資本比率は引き続き十分な水準を維持する見込みでございます。
Ⅳ.配当の状況
また冒頭、社長の馬場よりコメントがありましたとおり、当第1四半期の1株当たり配当金は期初の支払いであることもございまして、保守的に40円、前年同期と同額という決定をいたしております。年間の配当見込みについては、184円で変更ございません。
金融機関にとっては、難しい業務環境が続いておりますけれども、当行は引き続き規律あるバランスシート運営と収益の多様化を図っていくことによりまして、業績目標の達成を目指してまいりたいと存じます。
どうか今後ともご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。
以上で、決算のご説明を終わります。