3.1 大きく下落する場面もある

先に挙げた日経225やS&P500などのインデックスファンドは、長期間で見れば安定的な利回りを見込めます。

しかし、短期間だけを切り取ってみれば信じられないほど大きく下落するケースも少なくありません。

過去には、リーマンショックやオイルショック、コロナショックなど、さまざまな「ショック(金融危機)」により、株価が下落してきました。

主要なインデックスファンドであっても、2015年の「チャイナショック」をはじめ、年間20%を超える下落も経験しています。

金融危機のタイミングで、何らかの家庭事情により投資したお金を取り崩さなければならない場合、大きく元本割れしてしまう可能性があります。

3.2 値動きに耐えられないリスクもある

たとえ余剰資金を投資していても、メンタルの部分で株価下落に耐えられない可能性も十分に考えられます。

株価の大幅下落が起これば、市場全体に緊張が走ります。SNSやニュースサイトでは、不安を煽るような意見が飛び交い、さらに投資への意欲を削がれてしまうでしょう。

下落はあくまで短期的なものだとわかっていても、いざ自分が持っている資産が目減りするといてもたってもいられなくなります。

投資について深い理解がなければ、下落を乗り越えて投資を続けることは簡単ではないでしょう。

4. まとめにかえて

新NISAで主要なインデックスファンドに投資すれば、将来的には大きなリターンを得られる期待があります。

現在の日本では、銀行預金のリターンはほぼゼロに近いため、20年間も積立をすれば天と地の差が生まれる可能性もあります。

ただし、シミュレーションの結果は一見魅力的に映りますが、あくまで「どんな状況でも変わらずに投資を続けた場合」の結果にすぎません。

もし途中で投資をやめてしまったり、ショックに耐えられず損切りしてしまったりした場合、元本割れになるリスクもあります。

新NISAは気軽に投資を始められる分、十分な理解がないまま積立を始めてしまう方は少なくないでしょう。

日々投資への理解を深めていくことが積立投資を成功させるための第一歩になるのではないでしょうか。

参考資料

北川 和哉