2024年1月に、SNS上で注目を集めた「俺のホタテ食べさせなきゃだ」というパワーワードをご存知でしょうか。
これは、青森県平内町でホタテ漁師をしている達也(@flyboy_AMG)さんが、一緒に出掛けた女性に向けて綴ったもの。
今回、筆者が話題になった「俺のホタテ」を実食してみることに。
1. 「俺のホタテ食べさせなきゃだ」というワードが誕生した経緯
俺のホタテが話題になった経緯は、達也さんが一緒に出掛けた女性に対して「よくガソリン代とかはあるけど駐車料金くれる子は初めて お礼に今度俺のホタテ食べさせてあげなきゃだ!」というコメントと、1枚の写真を投稿したのがきっかけ。
そこに収められていたのは、1000円札が2枚とお礼のメモ書きでした。メモの相手から駐車場代を受け取った投稿主が相手の気遣いに感激。お礼をしたいと思い、「俺のホタテ」と綴ったのですが、このパワーワードに困惑する人が続出する事態になったのです。
達也さんの職業を考えれば、俺のホタテ=俺が水揚げしたホタテとなるのですが、写真とコメントだけで勘違いしてしまうのも理解はできます。
「俺のホタテ」の意味が明らかになると、勘違いした多くの人たちが「土下座します」「勘違いしてごめんなさい」と慌てて謝罪することに。
この投稿は「心が汚れてるかどうかを判別できるツイート」としてさらにバズることになりました。
2. 青森から「俺のホタテ」の稚貝を送ってもらった
大きな話題を呼んだ「俺のホタテ」。
筆者は青森県平内町で漁師をしている達也さんに連絡を取り、ホタテを送ってもらいました。達也さんによると2月時点でのホタテは稚貝で、サイズ的に酒蒸しかみそ汁として食べるのがオススメだそう。
大きめのボウルに移し…どっさりと盛られた数十枚のホタテとご対面。どんな料理を作るか迷ってしまいます。
平日の昼に届いたので、夜までは冷蔵庫で保管。圧倒的な存在感ですね。
2.1 ホタテのウロを取る
業務中、冷蔵庫にあるホタテのことばかりを考えていた筆者。会議中もホタテ、オンラインで同僚の話を聞いてる途中も、ホタテのことが頭の片隅にあるのです。ホタテの魔力は恐ろしい。
仕事とホタテの両立を行った結果、ホタテのみそ汁と炊き込みご飯に決定。普段あまり料理をしないので、実家でホタテ料理を作ることに…。車で運転していると、助手席に座るホタテがたまに動き、音を出すのです。
到着後、すぐに料理開始。活きたままのホタテの稚貝を開くと、小ぶりながらも美味しそうなホタテでお目見え。まずは包丁を使い、ウロ(黒い部分)を切り離します。
最初の1、2個目は慣れずかなりの時間を要しましたが、数をこなしていくうちに「もはやプロだろ、これ」と自慢したくなるスピードに。
半分のホタテが剥き終わったので、時間のかかる炊き込みご飯の準備をします。
3. 食欲をそそる匂いの「ホタテの炊き込みご飯」
材料は米2合、白だし(水8:白だし2)、ホタテ、生姜。コンロをつけると、ホタテの良い匂いがキッチンに広がります。この時点で20時、炊きあがりまで我慢するのがしんどくなってきました。
我慢の時間を乗り越え、炊きあがったホタテの炊き込みご飯。まだみそ汁があるというのに、食欲をそそる「危険な匂い」がぶつかってきます。
3.1 ホタテのみそ汁も作る
空腹と戦いながらみそ汁へ…。水が沸騰した時点でホタテを入れると、じわじわと出汁がでてきました。
味噌をといて、豆腐を入れると「ホタテのみそ汁」の完成です。ホタテづくしの2品、いったいどんな味なのか気になるところ。
4. ホタテづくしの一品を実食
完成したホタテの炊き込みご飯とみそ汁。
まずはホタテのみそ汁から一口。普通のみそ汁では考えられないほど出汁の旨味を感じ、一口、また一口と飲みたくなってしまいます。気がつけば、炊き込みご飯を食べる前に完飲してしまいました。恐るべしホタテのポテンシャル。
主役を張る「ホタテの炊き込みご飯」はというと…。
ファーストタッチからぶっ飛びそうになるくらいの美味さが口の中に広がります。そこからはボーナスゾーン。噛むごとに旨味が溢れ出し、思わず笑顔になってしまいます。
GDPが世界4位に転落、増税など国民にとって暗いニュースが続きますが、炊き込みご飯を噛みしめる瞬間は、間違いなく幸せでした。
スイッチが入った筆者は、あっという間に完食。実家にある「ご飯茶碗」の花柄が美しく見えるほど丁寧に食べました。
5. 一回り大きくなった「俺のホタテ」が食べられる
いかがでしょうか。今回はSNS上で話題になった「俺のホタテ」を実際に食べてみました。
達也さんによると、ホタテのみそ汁の場合は貝殻ごと煮立たせ、調味料を入れて作るのがメジャーだそう。
達也さんが水揚げするホタテは、平内町漁業協同組合から購入することができます。購入はメールのみの受付となっております。
価格は、1kgセット1300円、2kgセット2000円、3kgセット2700円(価格はすべて税込み)。1kgあたり、およそ13枚から20枚前後のホタテが入っているそうです。
筆者が実食したのは、生まれてから約10カ月のサイズ。2024年5月から販売するものは、一回り大きくなっているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。ホタテを捌く用のヘラは、「俺のホタテ」と一緒についてきます。
参考資料
小野田 裕太