新しい一年がスタートし、「今年こそお金を貯めよう」と考えている方も多いでしょう。

貯蓄目的は人によって異なりますが、誰もが考えておきたいのが「老後のお金」について。実は、60歳代の「一人暮らし世帯」の貯蓄額の中央値は300万円です。

老後2000万円問題として話題になった「2000万円」とは大きな広がりがありますが、シニアの貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。

また、12月に公表されたばかりの最新の年金情報についても見ていきます。

1. 60歳代「一人暮らし世帯」の貯蓄額は中央値で300万円

金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より、60歳代「一人暮らし世帯」の貯蓄額を見ていきましょう。

1.1 60歳代「一人暮らし世帯」の貯蓄額(含、金融資産非保有世帯)

  • 平均:1388万円
  • 中央値:300万円

平均額は1388万円ですが、中央値は300万円という結果に。乖離している状況をより詳しくみるために、貯蓄額ごとの世帯割合も見ていきましょう。

1.2 60歳代「一人暮らし世帯」貯蓄額ごとの世帯割合

  • 金融資産非保有:28.5%
  • 100万円未満:8.0%
  • 100万~200万円未満:5.7%
  • 200万~300万円未満:4.3%
  • 300万~400万円未満:3.6%
  • 400万~500万円未満:2.7%
  • 500万~700万円未満:6.2%
  • 700万~1000万円未満:4.6%
  • 1000万~1500万円未満:6.6%
  • 1500万~2000万円未満:3.6%
  • 2000万~3000万円未満:6.8%
  • 3000万円以上:16.9%
  • 無回答:2.5%


28.5%と最も割合が多いのは、金融資産非保有=貯蓄ゼロの世帯です。次に多いのが貯蓄額3000万円以上の16.9%。

大きな値に引っ張られた結果、平均値は高くなったと考えられます。

60歳代ですので、これから退職金を受け取る方、すでに受け取った方が含まれると、こうした差が開きやすいと考えられます。

とはいえ、これまでしっかり貯蓄した人、できなかった人の差も少なからずあるでしょう。