厚生労働省「令和4年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性で81.05歳、女性は87.09歳となっています。
65歳で会社を辞めた場合、老後生活が男性は約16年間、女性は約22年間も続く計算です。そのため、老後の生活資金の準備が必要となります。
ただし、老後の生活資金をすべて自分で用意する必要はありません。一般的に老後は年金を受給可能です。年金をひとりあたり「月20万円」もらえれば、年金だけで生活できる人も多いのではないでしょうか。
では、年金を「月20万円」もらえる人とはどのような人なのでしょうか。本記事では、月20万円の年金を受け取るための条件をシミュレーションするので参考にしてみてください。
1. 年金「月20万円以上」もらう人はどれくらいいるか
まずは、実際に月20万円以上の年金をもらう人がどれくらいいるのか確認しましょう。
厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、現役時代に会社員や公務員などとして働いた経験のある厚生年金受給者の年金受給額は以下のとおりです。
1.1 厚生年金受給者の年金受給額
年金受給額 人数(割合)
- 月額5万円未満 38万8575人(2.4%)
- 月額5万円以上10万円未満 336万1204人(20.8%)
- 月額10万円以上15万円未満 497万6556人(30.8%)
- 月額15万円以上20万円未満 495万2516人(30.6%)
- 月額20万円以上25万円未満 223万4558人(13.8%)
- 月額25万円以上30万円未満 25万2220人(1.6%)
- 月額30万円以上 1万4816人(0.1%)
- 平均年金月額 14万3965円
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
月20万円以上の年金をもらう人の割合は15.5%です。約6.5人に1人の厚生年金受給者が月20万円以上の年金を受け取っています。
一方で、年金受給額が月15万円未満の人も54%いるため、人による年金受給額の差は大きいです。また、上記は厚生年金受給者の年金受給額のため、厚生年金をもらえない自営業者や専業主婦の年金受給額はさらに少なくなります。
2. 「月20万円」の年金をもらうのに必要な年収はいくらか
厚生年金の受給額は現役時代の勤務期間や平均年収などによって異なります。では、月20万円の年金を受け取るには現役時代にいくらの年収が必要なのでしょうか。
以下の条件で平均年収ごとの年金受給額の目安をシミュレーションしてみましょう。
- 1975年生まれ
- 20歳~64歳まで会社員として勤務
- 65歳から年金受給開始
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
2.1 平均年収ごとの目安年金受給額
平均年収 年金受給額の目安
- 300万円 月13万3000円
- 400万円 月15万円
- 500万円 月17万2000円
- 600万円 月19万3000円
- 650万円 月20万円
- 700万円 月20万9000円
- 800万円 月22万6000円
- 900万円 月24万9000円
月20万円の年金を受け取るには、平均年収650万円が必要です。年金を月20万円もらうには、比較的高水準の年収が必要であるとわかります。
また、平均年収300万円の人の年金受給額は月13万3000円で月20万円との差は月6万7000円です。その差は年間にすると80万4000円、15年間で1206万円にも及びます。
年金受給額の差がもたらす老後生活への影響は大きいです。
3. 受給開始時期を遅らせて月20万円の年金を受け取る方法とは
さきほどのシミュレーションで、月20万円の年金を受け取るには平均年収650万円が必要となることを確認しました。
ただし、年金は受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」の利用が可能です。最大75歳まで受給開始を遅らせることができ、受給開始年齢が遅くなるほど月にもらえる年金額は増えます。
以下の条件で、年金受給開始年齢ごとに月20万円の年金を受け取るために必要な平均年収をシミュレーションしてみましょう。
- 1975年生まれ
- 20歳~64歳まで会社員として勤務
シミュレーション結果は以下のとおりです。
3.1 受給開始年齢ごとの年金「月20万円」をもらうために必要な年収
受給開始年齢 必要な平均年収の目安
- 65歳 650万円
- 66歳 560万円
- 67歳 500万円
- 68歳 440万円
- 69歳 390万円
- 70歳 360万円
70歳まで受給開始を遅らせれば、平均年収360万円の人でも月20万円の年金をもらうことが可能です。65歳以降も働いて年金受給開始を遅らせ、受給額を増やすこともぜひ検討してみてください。
4. 年金受給額をシミュレーションしよう
シミュレーションしたとおり、年金受給額は現役時代の働き方や平均年収によって大きく異なります。そのため、まずは自分が将来どれくらいの年金を受け取れるのかシミュレーションしてみましょう。
「ねんきんネット」を使えば、簡単に年金受給額のシミュレーションが可能です。ぜひ、老後の目安年金受給額を知って、必要な老後対策を考えてみてください。


