ソフトバンクGの下落で反落するも下げ渋る
2023年11月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比78円35銭安の3万2568円11銭となりました。ソフトバンクグループが9日、2023年4~9月期の連結決算を発表しましたが、最終損益が1兆4087億円の赤字と前年同期の1290億円の赤字から大幅に赤字が増えたことから一段安となり、1銘柄で日経平均を100円近く押し下げました。ホンダ、ソニーグループも決算の結果が市場予想に届かず売られました。日経平均は一時、400円近くまで下げましたが、その後は下げ渋り、引けにかけては小幅な下げにとどまりました。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。米国株が好調です。10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比391ドル16セント高の3万4283ドル10セントで終えています。9月下旬以来の高値圏となっています。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上昇しています。背景としては、足元の経済指標の発表で、米景気がやや減速しているとの見方が広がっていることです。
景気が悪いのに株価が下がるというのも不思議な現象ですが、景気に過熱感が高まると米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが行われ、利上げが懸念されるためです。労働需給がひっ迫する(雇用が高まる)と株価が下がるというのも同じ理由です。そういったところから、なかなか判断が難しい局面が続いていますが、当面は、利上げ観測は後退したと見られており、投資家のリスクテイクの動きが優勢となっています。日本株も週初から買われる展開になることが期待されます。
今週は、13日(月)に、日本郵政、みずほフィナンシャルグループ、鹿島、大成建設、メルカリ、14日に(火)に電通グループ、三井住友フィナンシャルグループ、第一生命ホールディングス、出光興産、17日(金)に東京海上ホールディングスなどの決算が発表されます。13日には日銀の10月企業物価指数が発表されます。