近年では核家族が増えたため、親世帯(子世帯)と同居する世帯は減少傾向にあります。
こうした中で、GWには久しぶりの帰省を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。
一方で、二世帯住宅を検討している方も少なからずいます。
二世帯住宅には主に次の3つのタイプがあります。
- 完全同居型:玄関からLDK、設備などをすべて共有するタイプ
- 部分共有型:一部の設備を必要に応じて共有するタイプ
- 完全分離型:玄関からLDK、設備をすべて分離し生活空間が独立しているタイプ
二世帯住宅でどのタイプにするのか、そしてどのような間取りで設計するのかは、家族で十分に話し合って決める必要があります。
住んでから後悔しないためには、実際に二世帯住宅を建てた方の体験談を参考にすると良いでしょう。
この記事では、静岡県で5000万円の二世帯住宅を建てた40代ご夫婦に聞いた、二世帯住宅で「2つあれば良かったと後悔したもの」と、「2つあって良かったと実感したもの」について紹介します。
二世帯住宅にして良かったこともお話いただいたので、ぜひ最後までご覧ください。
【体験談】二世帯住宅で「2つほしかった」と後悔した設備3選
今回お話をうかがったご夫婦の二世帯住宅は、1階に親世帯、2階にご夫婦の世帯が暮らす部分共有型でした。
まずは、40代のご夫婦が二世帯住宅で2つほしかったと後悔されている設備3選を紹介します。
1. インターホンのモニター
「インターホンのモニターを1階のリビングに設置しましたが、私たちは2階で過ごすことが多いため、インターホンの呼び出し音があまり聞こえません。親は耳が遠くて、インターホンの呼び出し音に気づかないことも多いようです」とご夫婦は言います。
インターホンの商品によっては、モニター親機とモニター子機がついている商品があります。
スマートフォンから呼び出しに応答できる商品もあるので、1階と2階どちらからでも応答できるようにしておくと便利でしょう。
2. 郵便ポスト
「郵便ポストを2つに分ければ良かったです。何を買ったとか、どのような郵便物が届いたかなどが親に筒抜けで、プライバシーがないように感じます」とご夫婦は言います。
郵便ポストが1つしかない場合、親世帯と子世帯の郵便物が混ざってしまいます。
毎回世帯ごとに分ける必要があるため、手間もかかるでしょう。
郵便物を見られたくないなど、プライバシーを確保したい場合は、郵便ポストを2つ準備しましょう。
3. 靴箱
「靴箱を2個設置すれば良かったです。親世帯と共有なので靴の数が多く、親の汚れた靴が子どものきれいな靴の横に置かれると、掃除などですごく不便です」とご夫婦は言います。
二世帯が住むと物が多くなりやすいため、収納スペースは十分に確保しておく必要があります。
特に共用で使う収納スペースは、高さなどで位置決めをしたり仕切り板で区切ったりして分けると、整理整頓しやすいでしょう。
【体験談】二世帯住宅で2つあって良かった設備など3選
次に、40代のご夫婦が二世帯住宅で「2つあって良かった!」と満足する設備など3選を紹介します。
1. リビング
「1階のリビングとは別に2階にもリビングを作って良かったです。1階のリビングに親がいてくつろげない時でも、2階のリビングでくつろげるので快適です」とご夫婦は言います。
2階にリビングがあれば、それぞれの世帯がお互いに気を使うことなくくつろげます。
リビングのスペースを確保するのが難しい場合は、寝室をセカンドリビングとして活用するのも良いでしょう。
2. ミニキッチン
「2階にミニキッチンを作りました。夜に小腹が空いた時などにわざわざ1階まで行かずに料理ができるので、気を使わずに済みます」とご夫婦は言います。
二世帯が暮らすうえで、気を使う場面が多いとストレスにつながります。
ミニキッチンがあるだけで生活の利便性が大きく向上するため、設置を検討してみてはいかがでしょうか。
3. シャワールーム
「2階にシャワールームを作りました。仕事の勤務体系が不規則で、夜遅くにシャワーを浴びる時でも1階の親を気にせずに使えます」とご夫婦は言います。
ミニキッチン同様で、水回り設備は簡易な設備でも2つあれば非常に便利です。
家族で相談して、優先順位の高いものから設置を検討しましょう。
二世帯住宅にして良かったこと
国土交通省が2020年8月に公表した「平成30年住生活総合調査結果」によると、最近5年間に住み替えをした世帯のうち「家族等との同居・隣居・近居」が目的と回答した世帯は11.8%でした。
二世帯住宅を目的とした住み替えは多くありません。
しかし、二世帯住宅には二世帯住宅ならではの良い点もあります。
最後に、40代のご夫婦が二世帯住宅にして良かったことを紹介します。
1. 資金面に余裕ができる
「光熱費などを親世帯に負担してもらえることで、資金面に余裕ができました。子どもの教育費などさまざまなことでお金がかかるので、光熱費だけでも負担してもらえるのは本当に助かります」とご夫婦は言います。
親世帯と子世帯が一緒に住むことで、資金面で助け合いがしやすくなります。
ご夫婦のように、親世帯に光熱費などを負担してもらえれば、資金面に余裕が生まれるでしょう。
2. 送迎を親に頼みやすい
「親に送迎を気軽に頼めることです。子どもの塾や学校、仕事の飲み会で自宅に帰る時などに、気軽に送迎をお願いできるので助かります」とご夫婦は言います。
送迎や子どもの面倒などを子世帯が親世帯に気軽に頼めるのは、二世帯住宅ならではのメリットです。
親世帯にとっても、老後に子世帯が近くにいることで安心感があるでしょう。
二世帯住宅で失敗しないために
静岡県で5000万円の二世帯住宅を建てた40代夫婦の体験談を紹介しました。
二世帯住宅の間取りで失敗しないためには、親世帯と子世帯それぞれが快適に暮らせるように、生活動線や収納スペース、設備を別々に設置するかなどを考えることが重要です。
親世帯、子世帯の生活スタイルや希望も考慮しながら、二世帯住宅の間取りを決めましょう。