【体験談】2階リビングの不満点

次に、愛媛県で3700万円の注文住宅を建てた40代夫婦が、2階リビングで不満を感じた点を紹介します。

夏のリビングがとても暑い

「夏場のリビングはとても暑いです。屋根まで近いのが原因だと思いますが、1階よりもかなり暑く感じます。

エアコンの電気代がもったいない気がして、夏場に1人のときはあまりリビングにいないようにしています」とご夫婦は言います。

2階リビングの日当たりの良さが、夏場はかえって暑すぎるようでした。

2階リビングで夏場を快適に過ごすには、家全体の断熱性を高める必要があります。

国土交通省が2022年3月に発表した「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅取得世帯が、住宅購入の「決め手」となった設備などについては、「高気密・高断熱住宅だから」が最も多い結果となりました。

この調査から、多くの人が高気密・高断熱住宅を重要視しているのがわかります。

夏場をリビングで快適に過ごすためには、断熱材の量や厚みを増やしたり、断熱性能が高いサッシにしたりするなど、設計士と相談しながら対策をしておきましょう。

階段を広くしておけば良かった

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「階段の上り下りは健康にも良いので、むしろ歓迎だと思っていましたが、住んでみるともっと広い階段にしておけば良かったと後悔しました。階段で家族とすれ違うことが多く、たまにヒヤッとする場面もあります」とご夫婦は言います。

リビングが2階にあると、階段を上り下りする機会が増えるでしょう。

また、買い物などの荷物を持って階段を上ることも多くなります。

高齢になった際は、階段の上り下りが大きな負担となることも考えられます。

そのため、階段の勾配を緩くする、踊り場を設けるなど、なるべく上り下りしやすい設計にしておきましょう。

引っ越しの搬入に費用がかかった

「引っ越しの際、2階にソファとテーブルが階段から入らず、クレーン搬入になりました。1万円少々費用がかかったと思います。

2階に搬入できないと困るので、本棚などは組み立て式のものを選び購入しました。しっかりしたものが選べなかったので、少し悲しいです」とご夫婦は言います。

階段の形状や幅によっては、ご夫婦のように家具などをクレーンでベランダから搬入するケースがあります。

家具や家電の買い替えにおいても、階段から搬入できるか確認しなければなりません。

クレーンなどを使わず階段から搬入したい場合は、直線階段にしたり、階段の幅を広くしたりするなど、設計の段階で対策をしておきましょう。