モノやサービスの価格が上昇し続けるインフレが止まりません。スーパーでの買い物や外食時に、インフレを実感したことがある方もいるのではないでしょうか。
新しい1年がはじまった今、家計や貯蓄のために転職を考える方もいるでしょう。
年収の目安として1000万円を目標にされる方もいますが、単独世帯や家族構成により、手取りは変わってくるものです。
今回は、年収1000万円の会社員の「手取り」がいくらなのかを家族モデルごとに検証します。
今年のキャリアアップで年収1000万円を目指している方や、年収1000万円だとどれくらい自由にお金を使えるのか知りたい方は参考にしてみてください。
給与から税金と社会保険料が天引きされる
会社が従業員に対して支払う給与からは、税金や社会保険料が天引きされます。天引きされる税金と社会保険料は以下の通りです。
税金
- 所得税(2037年までは復興特別所得税が加算)
- 住民税
社会保険料
- 健康保険料
- 介護保険料(40歳以上の方のみ)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
自分の天引きされている税金や社会保険料がいくらかを確認したい方は、給与明細を確認するといいでしょう。
「年収1000万円」家族モデルごとの手取りの目安はいくらか
年収1000万円の手取りを家族モデルごとに検証します。シミュレーションの前提条件は以下の通りです。
- 39歳東京都在住の会社員(会社は協会けんぽに加入)で、収入は会社からの給与のみ。
- 生命保険控除や地震保険控除、医療費控除、住宅ローン控除等の適用は無し。
なお、実際には住んでいる地域や勤めている会社などにより税金や社会保険料は変動するため、以下は目安となります。
独身で年収1000万円の会社員の手取りは725万円
独身で年収1000万円の場合、手取りの目安は以下の通りです。
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出所:筆者作成
所得税:約85万円
(1000万円ー基礎控除48万円ー給与所得控除195万円ー社会保険料控除約125万円)×20%ー42万7500円+復興特別所得税約1万8000円
住民税:約64万円
(1000万円ー基礎控除43万円ー給与所得控除195万円ー社会保険料控除約125万円)×10%+5000円
手取り:約725万円
額面1000万円ー所得税約85万円ー住民税約64万円ー社会保険料約125万円
※端数処理の関係で、額面年収から税金と社会保険料を引いた額と手取りの額が若干異なります。
※社会保険料は報酬月額83万3333円(1000万円÷12カ月)として計算。
税金と社会保険料の合計は約275万円で、手取りは約725万円となります。
専業主婦(夫)と暮らす年収1000万円の会社員の手取りは736万円
年収1000万円で専業主婦(夫)を扶養する場合、手取りの目安は以下の通りです。
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出所:筆者作成
所得税:約78万円
(1000万円ー基礎控除48万円ー給与所得控除195万円ー社会保険料控除約125万円ー配偶者控除38万円)×20%ー42万7500円+復興特別所得税約1万6000円
住民税:約61万円
(1000万円ー基礎控除43万円ー給与所得控除195万円ー社会保険料控除約125万円ー配偶者控除33万円)×10%+5000円
手取り:約736万円
(額面1000万円ー所得税約78万円ー住民税約61万円ー社会保険料約125万円)
※社会保険料は報酬月額83万3333円(1000万円÷12カ月)として計算。
独身で年収1000万円の場合と比較すると、所得税と住民税の合計が約10万円安くなっていて、手取りは約736万円となります。
これは、専業主婦(夫)を扶養すると配偶者控除が適用され、税金を計算する上での所得が減るためです。
また、子どもを扶養している場合はさらに扶養控除が適用されます。同じように計算すると、年収1000万円で専業主婦(夫)と16歳の子ども2人を扶養する場合の手取りは約758万円です。
年収500万円の会社員共働き夫婦の手取りは780万円
夫婦ともに年収500万円で、世帯年収が1000万円の家族の手取り目安(2人分を合算)は以下の通りです。
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出所:筆者作成
手取りは約780万円です。
所得税と住民税を合わせた税金が2人で77万円となっており、独身や片働き家族で年収1000万円の場合と比べて安いのが特徴です。
また、子どもを扶養している場合はさらに扶養控除が適用されます。夫婦ともに年収500万円で、16歳の子ども2人を扶養する家族の手取りは約792万円です。
家族モデルごとの手取りの目安まとめ
紹介した家族モデルごとの年収1000万円の手取りの目安のまとめは以下の通りとなります。
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出所:筆者作成
家族モデルによって、同じ年収1000万円でも手取りに大きな差が生じます。
年収1000万円で独身の場合と、夫婦ともに年収500万円で16歳の子ども2人を扶養している場合との手取りの差は約67万円です。
手取りの差の原因の一つは所得税
なぜ、独身と共働きの場合で手取りに大きな差が出るのでしょうか。
最も大きな原因は所得税です。所得税は、所得が上がるほど税率があがる累進課税制度が適用されます。
独身の年収1000万円の会社員は所得が高いため、税率も高いです。一方で、共働きはご家庭により所得を分散できるためお互いの税率が低くなり、所得税を安く抑えられやすくなるでしょう。
年々上がる社会保険料
2022年に社会保険料の改定が行われたことをご存知でしょうか。2022年10月1日より、雇用保険料の料率が引き上げとなっています。
一般的な事業の場合、雇用保険料は0.3%でしたが、2022年10月1日からは0.5%です。
このように制度の改定が行われる場合もあるので、動向をみていくといいでしょう。
まとめにかえて
家族モデルごとの年収1000万円の手取りを解説しました。年収ばかりに意識が行きがちですが、生活のために大切なのは手取りです。
家計のやりくりを考える際にも、年収ではなく手取りを意識しましょう。
また、雇用保険料率の改定のように、制度の改定や新しい制度が始まっていることもあります。
制度の改定はどうすることもできませんが、最近では2024年から始まる新NISAが話題です。このような制度の改定や新制度を理解して活用し、お得なマネーライフを送るのもいいでしょう。
ただ運用にはリスクがありますから、まずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 国税庁「所得税のしくみ」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 全国健康保険協会「令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 厚生労働省「令和4年度雇用保険料率のご案内」
苛原 寛
