3. 豊かな老後にはいくら必要か

これまで国民年金と厚生年金の平均受給額を眺めてきました。この年金額で不安のない老後を送れるのか考えていきましょう。「生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度」によると、夫婦ふたりの最低日常生活費は月額で平均22万1000円、ゆとりある老後生活費は平均月額36万1000円です。

では、夫婦の働き方によって、老後の年金額にはどのくらい差がつきそうでしょうか。先述の男女別平均年金月額を元に、2つのパターンで計算してみます。

3.1 【夫婦共に会社員で共働き】

平均受給月額は合計で26万7000円です。最低限の日常生活費は足りますが、ゆとりある老後を送るには月あたり9万4000円が不足します。老後を30年とすると、ゆとりある老後への不足額は3384万円です。

3.2 【夫が会社員、妻が専業主婦】

平均受給月額は合計で21万8000円です。最低限の日常生活費までは老後30年で100万円ほど不足する計算となりますので、貯金でカバーできる金額ですね。ゆとりある老後を送るには月あたり14万3000円が不足し、老後30年では5148万円不足する計算になります。

上記の金額は平均年金月額をもとに計算していますので、世帯によっては想定外に年金額が低かった、という場合もあるかもしれません。ご自身がいくらもらえるか、この機会に「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認してみるといいですね。