「老後資金はなんとなく貯めている」という方は、多いのではないでしょうか。

老後に2000万円が必要といわれても、目の前の教育費や住宅ローン、車の購入費用などを貯めるのが先、と考えがちです。

一方で、「人生100年時代」といわれている現代。今の現役世代が、年金だけで老後を過ごすのは厳しいでしょう。100歳まで生きるということは、人生の約3分の1が老後になります。

現在まさに定年後を生きる人がいくら貯蓄があるかを知ることで、老後資金について考える材料になるでしょう。

そこで今回は、実際に65歳以上の無職世帯は貯蓄を2000万円以上もっているのか、その割合や高齢者の仕事事情についても見ていきます。

65歳以上・無職世帯の平均貯蓄はいくらか

今回は総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、世帯主が65歳以上・二人以上「無職世帯」の貯蓄現在高を確認します。

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

世帯主が65歳以上・無職世帯の貯蓄額

貯蓄現在高:2342万円
内訳

  • 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
  • 定期性預貯金:924万円(39.5%)
  • 生命保険など:403万円(17.2%)
  • 有価証券:388万円(16.6%)
  • 金融機関外:4万円(0.2%)

貯蓄額は2000万円以上となりました。現役時代のころから着実に貯蓄してきた人が多いのでしょう。

さらに貯蓄の中身をみると、預貯金が半分以上であることがわかります。

一方で生命保険や有価証券など、運用の割合もある程度あることがわかります。