2017年2月3日、ホンダ(7267)は2017年3月期の第3四半期累計(2016年4-12月)決算を発表。第3四半期累計の営業利益は前年同期比+24%増となり、2017年3月期の通期会社予想も上方修正された。前期(2016年3月期)までの低迷が酷過ぎた反動とは言え、収益回復が鮮明になったという点では安心感がある。株価に対しては「ポジティブ」な印象。回復から拡大に向かうかを注視したい。
決算ハイライト
第3四半期累計実績は、売上高は対前年同期比▲7%減、営業利益が同+24%増、親会社の所有者に帰属する四半期純利益が同+19%増となった。円高の影響を受けたものの、販売関連費用の減少、コストダウン効果の上積み、北米地域の販売台数増加などにより、終わった第3四半期(10-12月期)も大幅増益基調を維持した。販売関連費用の減少では、一連のタカタ(7312)問題に絡むリコール費用の減少が顕著だった模様。
第3四半期累計実績を受けて、2017年3月通期の会社予想も上方修正された。営業利益は従来予想6,500億円から今回予想7,850億円(対2016年3月期比+56%増)、最終利益は同4,150億円から5,450億円(同+58%増)へと増額。元々の会社予想があまりに保守的だった感が強いものの、ようやく収益回復が本格化したという点ではポジティブな印象である。また、下期の配当予想も従来予想の44円から48円へ引き上げられたことも好印象(通期では同88円から92円へ)。
ここに注目!
今回の上方修正により、収益回復が鮮明になったものの、今までが悪過ぎたことに留意すべきである。特に、2016年3月期実績は販売費用の増加により、極端に低い収益レベルであったため、2017年3月期の大幅増益はある意味で当然。2018年3月期から収益拡大期に入るのかどうか注視したいが、最大の焦点は米国市場での販売動向になろう。
LIMO編集部