株式市場の振り返り-物色テーマに欠ける展開で続落、商いも低調気味

2016年10月13日(木)の主要指標 カッコ内は前日終値比

  • 日経平均株価 16,774円(▲65円、▲0.4%) 続落
  • TOPIX 1,342.3(▲0.0、▲0.0%) 続落
  • 東証マザーズ総合指数 938.2(▲1.2、▲0.1%) 4日続落

東証1部の出来高は16億5,951万株、売買代金は1兆8,906億円(概算)となり、出来高は前日より減少しましたが、売買代金はほぼ横這いとなりました。日経平均株価は円安を好感して高く始まりましたが、取引時間中に為替相場が円高気味になったこともあり、終値では小幅続落となっています。TOPIXはほぼ横這いでした。株式市場を牽引するテーマに欠けた展開となり、様子見スタンスが強まったと考えられます。ただ、取引時間中の値幅は相応に大きく、金曜日のミニSQを控えた揺さ振り的な値動きも見られました。

一方、東証マザーズの出来高は5,791万株、売買代金は716億円となりました。前日より小幅増加ですが、非常に低い水準が続いており、大型株市場以上に物色テーマに欠ける展開でした。総合指数は小幅ながら4日続落となり、浮上のきっかけが見出し難い状況と言えます。総合指数900ポイントの死守が攻防ラインとなりそうです。

決算発表を控えたユニクロ株が軟調に推移、新興市場では串カツ田中は値を飛ばす

個別銘柄では、決算発表を控えたファーストリティリング(9983)が値を下げ、ファナック(6954)も8日ぶりの反落となりました。また、ソフトバンクグループ(9984)も下落となりました。他に下落が目立ったのは野村ホールディングス(8604)や大和証券グループ本社(8601)などの証券株に加え、オリンパス(7733)など精密機器の一角が冴えない動きでした。一方、トヨタ自動車(7203)との業務提携検討を発表したスズキ(7269)が大幅上昇となり、富士重工(7270)も値を上げました。また、「プレイステーションVR」を発売したソニー(6758)も年初来高値を更新しました。

新興市場では、串カツ田中(3547)が値を飛ばし、一時は8,000円を付ける大幅続伸となりました。安くて美味しい熱々の串カツ人気はまだまだ健在のようです。また、ブランジスタ(6176)、ドリコム(3793)、フリークアウト(6094)なども大幅上昇となり、医薬バイオ関連ではUMNファーマ(4585)がストップ高となっています。また、そーせいグループ(4565)は小幅反発となりましたが、CYBERDYNE(7779)は値を下げました。

本日(10月14日)の注目点-決算発表を終えたユニクロ株の動向に注目が集まる

週末14日(金)は、前日引け後に2016年8月通期の決算発表を行ったファーストリティリングの株価動向が最大の注目点です。投資家が注目した2017年8月期の会社予想も悪くはなかったようなので、日経平均株価をどの程度押し上げるのか気になるところです。寄り付き後、朝方にミニSQ値の算出が終われば、その後はユニクロ株一色になる可能性があります。また、他の小売株、及び、日経平均株価への寄与度の高い銘柄への“連れ高”の局面があるかもしれません。

もう一つの注目点は、ソニーの新商品「PS-VR」のテーマ化です。ただ、13日の動きを見ると、概ね材料は出尽くしの感もありますので、過大な期待は持てないでしょう。ただ、このソニーのPS-VRとは別個に、ここ数日間は電機株の強さが目立っており、早くも最終週に始まる上期決算を織り込む動きと見ることも出来ます。週末でポジション調整はあると思われますが、電機セクターへの注目を継続しましょう。

青山 諭志