コロナ禍のお留守番問題…発達障害の子どもとwithコロナを生きる

Oleksandr Yakoniuk/shutterstock.com

「発達障害」や「グレーゾーン」が世間に認知されつつありますが、「生きづらさ」を抱えている当事者やその家族は多いといいます。そしてコロナ禍となり、私たちの生活は「新しい生活様式」「withコロナ」といわれ、大きく変化しています。この混乱の中で新たな悩みを抱えながらも、発達障害の子どもやその家族は懸命に生きています。今回は2人の子どもを育てるMさん(女性、30代)の「withコロナ」生活に迫ります。

発達障害とは?人数の実態

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「発達障害者支援法」によると、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定められています。

主な発達障害とその特徴は以下の通りです。

自閉スペクトラム症(障害)(ASD)

  • ① 社会性(対人関係)の障害、②コミュニケーションの障害、③こだわりの3症状が4歳(もしくは3歳)以降からみられる場合に診断される
  • 感覚過敏・鈍麻がある場合も
  • 知的障害の程度にも幅がある
  • 人の気持ちが想像しにくい
  • 変化に対応するのが難しい
  • 強いこだわり、パターン化された行動がみられる

注意欠陥多動性障害(ADHD)

  • 多動性や不注意などで日常生活に支障が出てしまう
  • 単純ミスや忘れ物が多い
  • 気が散ってしまい集中できないことが多い
  • 落ち着きがない、衝動的

学習障害(LD)

  • 知的発達に遅れがないにも関わらず、読み書きや計算などの特定の事柄のみが困難
  • 「読めるけれど、書けない」など、障害の表れ方も様々

(参考:厚生労働省「発達障害―知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」

ASDは100人に1人、ADHDは10人に1人といわれることが多いようですが、実際にはもっといるのではないかとの指摘もあります。また、診断名がつかないグレーゾーンの人も多く存在します。


厚生労働省の「平成28年(2016年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」によると、医師から発達障害と診断された者の数(推計値)は、48万1,000人とされています(対象:全国約2,400の国勢調査の調査区に居住する在宅の障害児・者等(障害者手帳所持者、医師から難病と診断された者、長引く病気やけが等により生活のしづらさがある者)、有効回答数:6,175人)。

コロナ禍の混乱とお留守番

Mさんは「ASD」・「ADHD」と診断された小学生の長男と3歳になる長女、夫の4人暮らしです。

「小学校では「特別支援教室」を利用しています。息子はADHDの多動性・衝動性が強く、じっとしていることが難しい傾向にあり、「同じことを意味なく何度も繰り返す」傾向もあるので、常に身体が動いていることが多いです。

そのため、スーパーなどの「レジ待ち」が苦手です。「身体を震わせる」「何かを何度も蹴り続けてしまう」「気づいたらどこかに行ってしまう」ことが度々あり、他のお客さんに『少しはじっとしていられないのか!』と怒鳴られたこともありました。なるべく息子が学校に行っている間に買い物を済ませてしまうことが多かったのですが、コロナ禍の4~5月の緊急事態宣言時は休校となり、息子が常に家にいる状態でした」

そこでMさんは「もう小学生になったことだし、お留守番をさせてみよう」と決意。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクもありますし、なるべく買い物は少人数でパパっと済ませた方が良いに決まっています」

参考記事

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執筆者

埼玉大学経済学部卒業後、テクノロジー関連の専門紙の記者に従事。現在はビジネス・経済系メディア向けの執筆を行う。2児の母。