「必要なワクチンは打っておかないと、幼稚園が始まったときに周りに迷惑をかけるかもしれないんだよ!と言っても効果なし…」とため息交じりに語るBさん。「もし、妹が面倒くさいとか時間がないとか、そんな理由で予防接種を受けさせないんだったら、まだ説得も簡単だったと思うんですね。私や母が代わりに連れて行ってあげることもできるし」

でもBさんの妹は、予防接種を打たないのが「子どものため」と信じて疑わないので、話は厄介なことに。

「自分は子どものためになることをしているんだ、予防接種を打たないことは良いことなんだ、と信じているからタチが悪い。もう最近では、そのSNSユーザーに対しても怒りを覚えてしまうくらいです。中途半端な知識で自分の偏った考えを大々的に発信しないでもらいたい、って」

共感できるから正しい!とは限らない

SNSが広く普及している今、世の中はさまざまな情報であふれています。「この人の投稿、素敵だな」「この人、なんとなく私の『こうだったらいいな』っていう思いを言葉にしてくれている気がする」という理由で、裏付けのない事実を安易に信じてしまうのは非常に危険です。

確かにSNSやネットは情報収集にとても便利。しかし、まずは「その情報は本当に正しいのか」「その情報は私や周りの人に本当に有益なのか」と疑ってかかることも必要なのではないでしょうか。

大中 千景