相手が楽になるように、言われる前にそっと手を貸す。そんなふるまいが、海を越えた先で思わぬ評価につながることがあります。

帰省先でのエピソードを明かすのは、日本で暮らすアメリカ出身の男性。@mrfuji_from_japanさんのこのTikTok動画は、26万回を超えて再生されています。

1. 【日本人化した気遣い】自分の靴も人の靴も直し、父親には「パパこっち座った方が楽なんじゃない?」

「自分のも人のも靴を直してあげちゃう。」1/2

「自分のも人のも靴を直してあげちゃう。」

出所:@mrfuji_from_japan

オレゴン州出身の男性は、日本で暮らすうちに、自分の靴だけでなく人の靴までそろえてあげるようになったそうです。そのおかげで、「アメリカに帰るとすごくよくできてる人に感じられる」と話します。

アメリカでは他人の物に下手に触らない方がいいと感じる一方、日本では相手が気づいても気づかなくても何かをしてあげることが多いと、気遣いの違いを分析します。

「「パパこっち座った方が楽なんじゃない?」みたいな」2/2

「「パパこっち座った方が楽なんじゃない?」みたいな」

出所:@mrfuji_from_japan

日本で長く暮らすうちに、相手が楽になりそうなことを自然とするようになったという男性。アメリカ人にはそんなマインドがないからやらないけれど、「ただやってもらったら嬉しいは嬉しいの!気づいたときは。」と、自身が気遣いの行動をする理由を続けます。

アメリカに帰ると、年を重ねてきた父親に楽な席をすすめるような声かけをしているそうで、「それをすごい喜んでくれるの。」と、家族とのエピソードを明かしていました。

コメント欄には「 相手を思って何かをするのが日本人の根本にあるんだろうな〜」という声も寄せられていました。

@mrfuji_from_japanさん、ご協力ありがとうございました!

2. 玄関で靴をそろえるとどんないいことがある?

日本の家では、玄関で脱いだ靴のつま先を外に向けてそろえておくことがあります。

帰るときにそのまま履きやすく、玄関もすっきり見えます。

よその家を訪ねたときに靴をそろえると、きちんとした印象を持たれることも多いです。

日本で身につけた気遣いを、母国の家族のために自然と生かしている男性。一方、アメリカから旅で来日する人は、日本にどれだけ長くとどまるのか。

3. アメリカからの旅行者は平均13.1泊、交通費に1人4万2964円

観光庁の「インバウンド消費動向調査」2026年7-9月期1次速報で、クルーズ客を除いたアメリカからの旅行者を見ると、日本での平均泊数は13.1泊でした。

滞在中の移動に充てた交通費は、1人当たり4万2964円となっています。

長く滞在すれば、それだけ日本の人や習慣に触れる時間も増えていきます。

短い旅で終わらず、日本を生活の拠点にしたアメリカの人の数も見てみましょう。

4. 日本に根を下ろした米国籍の人、永住者は2万1085人

2026年6月末の速報値(出入国在留管理庁)で米国籍の人の在留資格をたどると、「永住者」が2万1085人。家族として日本に暮らす「日本人の配偶者等」も1万4530人を数えました。

長く日本に根を下ろして暮らす中で、言葉だけでなく、人との接し方やちょっとした気配りも自然と身についていくのでしょう。

動画の男性が、日本で身についた気遣いをアメリカの家族のために生かし、「それをすごい喜んでくれるの。」と話していたように、暮らしの中で育まれた思いやりは、国境を越えて家族を笑顔にしているようです。

5. 著者からの一言コメント

小野 温子
靴をそろえたり、座りやすい席をすすめたりといった行動は、日本ではあまりにも当たり前で、改めて考えたことがありませんでした。それがアメリカでは「すごくよくできてる人」と受け止められるというお話はとても新鮮です。何より印象的だったのは、日本で身につけた気遣いを、年を重ねたお父さんのために自然に生かしているところでした。「やってもらったら嬉しい」という気持ちは国を問わず同じなのだと、温かい気持ちになります。「相手を思って何かをするのが日本人の根本にあるんだろうな〜」というコメントがあったのも納得で、日本で暮らす私たちこそ、この気配りを忘れずにいたいものです。私も身近な人への小さな気遣いを大切にしたいと思います。皆さんも、身近な気遣いを一つ思い出してみてください。

参考資料

小野 温子