4. 年金だけで暮らす高齢者世帯は41.3%。総所得に占める年金の割合は?
厚生年金の受給額に個人差があることを見てきましたが、実際の高齢者世帯の暮らしは、どのくらい年金に支えられているのでしょうか。厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」から確認します。
4.1 総所得がすべて公的年金・恩給の世帯は41.3%
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、総所得に占める公的年金・恩給の割合は次のとおりです。
- 100%の世帯:41.3%
- 80~100%未満の世帯:17.1%
- 60~80%未満の世帯:14.1%
- 40~60%未満の世帯:13.6%
- 20~40%未満の世帯:9.7%
- 20%未満の世帯:4.2%
総所得のすべてが公的年金・恩給という世帯が41.3%と最も多く、80~100%未満の世帯と合わせると58.4%になります。公的年金を受け取っている高齢者世帯の半数以上は、収入の8割以上を年金に頼っていることがわかります。
4.2 高齢者世帯の平均所得は336.1万円、うち年金は205.9万円
高齢者世帯の1世帯当たりの平均所得は336.1万円(2024年の1年間)で、このうち公的年金・恩給が205.9万円と61.3%を占めています。働いて得る稼働所得は87.1万円(25.9%)です。
ここでいう高齢者世帯とは、65歳以上の人のみで構成するか、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯を指します。厚生年金の受給額には大きな個人差がある一方で、多くの高齢者世帯にとって、公的年金が暮らしの中心であることに変わりはありません。
5. まとめ:年金の見込み額を知り、足りない分の備えを早めに考えよう
厚生年金の平均月額は15万289円、国民年金は5万9310円です。厚生年金の受給額には大きな個人差があり、月10万円未満の人は19.0%、月20万円以上の人は18.8%でした。
一方、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の41.3%は、総所得のすべてが公的年金・恩給です。8割以上を年金が占める世帯まで含めると58.4%にのぼり、年金が老後の暮らしの柱であることがわかります。
自分の年金がどのくらいになりそうかは、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。見込み額を知ったうえで、年金だけでは足りない分を、働き方や貯蓄、資産形成でどう補うか、早めに考えてみませんか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
和田 直子