4. 大学生の仕送りを家庭の側から見ると?家計調査の「仕送り金」は世帯主50〜54歳の二人以上の世帯で月1万8381円(2025年・仕送りをしていない世帯も含めた平均)

総務省「家計調査」では、世帯の外にいる家族への生活費・下宿料・家賃・教育費などを続けて補助する現金支出を「仕送り金」としています。2025年の二人以上の世帯の1か月の平均は次のとおりです。

  • 【世帯主45〜49歳】月1万3072円
  • 【世帯主50〜54歳】月1万8381円
  • 【世帯主55〜59歳】月1万697円
  • 【二人以上の世帯全体】月5523円

この値は、仕送りをしていない世帯も含めた1世帯あたりの平均です。大学に納める授業料は、家計調査では「授業料等」という別の項目に入ります。学生生活調査の家庭からの支援と同じ額にならないのは、こうした数え方の違いによるものです。

5. 大学生の仕送りを決める前に確かめたいことは?子の住まいの家賃と、支援の対象になるか

生活費のうち大きいのは住居・光熱費で、平均では私立で月約4.6万円、国立で月約4.1万円です。家賃は住む地域で大きく変わるため、仕送りの額は子の住まいの家賃から組み立てると実態に近づきます。給付型の奨学金や授業料の減免は世帯の所得などの要件があり、アルバイト収入が増えると親の扶養控除の判定も変わるため、あわせて確かめておきたいところです。

6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:大学生の仕送りは「学費の分」と「生活費の分」に分けて決める

今回の数字で目を引くのは、自宅外の私立大学生では、家庭からの支援の平均が学費の平均とほぼ同じだった点です。平均どうしの比較ではありますが、仕送りの多くが学費に充てられている形とも読めます。

一方で、生活費は国立・私立とも月10万円前後で、住居・光熱費と食費で月7万円前後を占めます。月いくらの仕送りが妥当かは、平均よりも子の住まいの家賃から考えるほうが実態に近づきます。

元FP会社スタッフとして見ると、教育費は「いくら出すか」と同じくらい「何に出すか」を決めておくことが大切です。学費は親、生活費は仕送りと子の収入、のように役割を分けておくと、足りない月が出たときに何を見直すかが分かりやすくなります。

試算では、仕送りが学費の分だけなら、国立で年約31.0万円、私立で年約17.1万円の不足でした。学費の安い国立のほうが、生活費の仕送りがなくなったときの影響は大きくなります。

月1万〜2万円台の差であれば、親子で家計の内訳を一度並べてみると、どこで埋めるかを決めやすいと私は思います。

7. まとめ

日本学生支援機構「令和6年度 学生生活調査」では、自宅外の大学生(学部・昼間部)の家庭からの支援の平均は、私立で年144万300円、国立で年95万6900円でした。私立ではこの額が学費の平均とほぼ同じで、仕送りが学費の分だけなら生活費は年約17.1万円足りなくなる計算です。

仕送りの額は、平均と比べるだけでなく、学費と生活費に分けて、子の家賃や奨学金の受け方と合わせて決めておきたいところです。奨学金の種類や月額は在学する大学の奨学金窓口や日本学生支援機構の奨学金相談センターで、授業料の減免は大学の窓口で確かめておくと安心です。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の学費・生活費は大学や住む地域、暮らし方で変わります。奨学金の種類・月額・要件は、日本学生支援機構や在学する大学でご確認ください。

参考資料

下村 美乃莉