包み焼きのオーブン料理派だった男性が、日本に染まった後に台所で作ったのは、皮目まであぶったカツオに薬味を山盛りにした一皿でした。

「この焼き方フランスにはないな」と感心する様子を収めた@bebechan_franceさんのInstagram動画には、3万件を超えるいいねが付いています。

1. 【日本に染まる前と後の魚料理】オーブンで焼くたらの包み焼きから、氷水で締めるカツオのたたきへ

日本に染まる前は「Cabillaud en papillote(たらの包み焼き)」1/2

日本に染まる前は「Cabillaud en papillote(たらの包み焼き)」

出所:@bebechan_france

まずは日本に染まる前。クッキングシートにカットしたねぎとたら、ブロッコリー、レモンを重ね、塩やオリーブオイル、ディル、バター、白ワイン、こしょうをかけてから、シートを折りたたんで包みオーブンへ。

開いた瞬間に「わあ、素敵!」。「焼き加減が完璧だね!」「全然パサついてない」と味わい、「魚から出たスープがバターやワインと混ざって最高!」と話します。

日本に染まった後は「カツオのたたき」2/2

日本に染まった後は「カツオのたたき」

出所:@bebechan_france

日本に染まった後は、塩をふって臭みをとったカツオを、油を敷いたフライパンで全面焼いて氷水へ。みょうがと玉ねぎは水にさらし、にんにくはこんがり焼いてチップにします。

薬味を盛った皿に切ったカツオを並べ、にんにくチップとねぎ、しょうゆをかければ完成。ひと口食べて「うまっ!」「カツオと薬味のマリアージュが最高!」と満足そうでした。

コメント欄には「日本に染まった後鮭の塩焼きでもするかと思ってたら、結構凝ってて草」という声も寄せられていました。

@bebechan_franceさん、ご協力ありがとうございました!

2. 初ガツオと戻りガツオ、何が違う?

カツオには「初ガツオ」と「戻りガツオ」という呼び方があります。

春から初夏にかけて北上してくるのが初ガツオで、さっぱりとした味わいです。

秋に南下してくるのが戻りガツオで、脂がのっているのが特徴です。

日本で暮らすうちに、カツオを焼いて薬味を刻むところまで手作りするようになったフランス出身の男性。ヨーロッパから来て日本に住む人の数を、在留外国人統計で確かめてみます。

3. ヨーロッパ国籍の在留外国人は10万8466人、永住者は2万9115人

フランスやイタリア、英国などヨーロッパの国籍を持つ人のうち、日本に住む人は2025年12月末で10万8466人を数えます(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

このうち「永住者」が2万9115人、「技術・人文知識・国際業務」が1万7533人、「留学」が1万5475人、「日本人の配偶者等」が1万3737人となっています。

では、旅行で日本を訪れるフランスの人は、食事にいくらかけているのか。2026年7-9月期の観光庁の1次速報を見ると、フランスから来た旅行者(一般客)1人の飲食費は9万7354円。国籍・地域を問わない平均は5万3600円です。

日本で暮らすにせよ旅するにせよ、食はヨーロッパの人と日本を結ぶ大切な接点になっています。

4. 寿司は13.7%、魚料理は9.7% 旅行者の「いちばん満足した食事」にも魚料理

魚を使った日本の料理は、旅行者の満足度にもつながっています。観光庁の2025年の年次報告書で「最も満足した飲食」を尋ねた結果を見ると、「寿司」が13.7%、「魚料理」が9.7%でした。満足した理由としては「美味しい」「食材が新鮮」「伝統的・日本独特」といった回答が目立ちます。

近所の鮮魚店やスーパーに並ぶ旬の魚も、海外の人には日本の食を知る入り口になりうるものです。

動画の男性が「この焼き方フランスにはないな」と口にしたように、表面だけをあぶる「たたき」は日本の土地で育まれてきた調理法です。家庭の台所で受け継がれてきた食べ方そのものが、外国の人にとって日本らしさを感じる体験になっているのかもしれません。

5. 著者からの一言コメント

小野 温子
包み焼きを開いたときのうれしそうな表情も、カツオのたたきをほおばる姿も、どちらも本当においしそうでした。魚を焼いて氷水で締め、薬味を刻んで盛りつけるまでの手際を見ていると、日本の家庭料理がすっかり暮らしの一部になっていることが伝わってきます。

参考資料

小野 温子