大学までの進路が見通せる附属校は、高校受験でも人気の選択肢です

ただ、私立高校の3年間には、授業料のほかに入学金や施設の費用、修学旅行の積立金など、さまざまなお金がかかります。

2026年度から国の就学支援金の所得制限はなくなりましたが、それで負担がどこまで軽くなるのかは、学校ごとに計算してみないと見えてきません。

小学生の息子を育てる筆者にとっても、系列の大学に進学できる可能性がある附属高校は、気になる学校のひとつ。

今回は、大学附属の共学校である青山学院高等部と法政大学高校の2校を取り上げます。

両校が公式サイトで公表している金額をもとに、3年間の学費と、国の就学支援金を差し引いた後の負担を比べます。

1. 【私立高校の学費】青山学院高等部の学費

青山学院高等部(東京都渋谷区)は、青山学院大学などを設置する青山学院の共学の高校です。

2027年度の一般入試では、男女合わせて約70名を募集します。

同校の出身者には、シンガー・ソングライターの尾崎豊さんがいます。

ソニーミュージックの公式プロフィールによると、尾崎さんは1978年4月に練馬区立東中学校に入学し、1981年4月に青山学院高等部に入学しています。

公立中学校から高校受験を経て進学したことになりますね。

学費は、公式サイトの「入学金・学費一覧」と「2027年度 一般入試要項」に、学年ごとの金額が記載されています。

1.1 青山学院高等部 学費等(2027年度一般入試要項)

入学手続時に納めるのは、入学金32万円と1年次の施設設備料25万円をあわせた57万円です。

授業料は年67万円で、3学期に分けて納めます。

このほか、制服(4万〜6万円)や教科書(3万2000〜4万1000円)、体育着・シューズ(3万8000〜4万6000円)などの購入費が別にかかります。

また、教育環境や施設設備の充実のため、個人1口1万円(できるだけ2口以上)の寄付のお願いがあります。

なお、学費等は諸般の事情により改定されることがあるとされています。

1.2 青山学院高等部 3年間の学費合計

入試要項に示された学年ごとの金額を足すと、次のとおりです。

  • 1年次:141万7000円
  • 2年次:104万2000円
  • 3年次:103万2000円
  • 3年間の合計:349万1000円

修学旅行積立金や卒業積立金も含めた金額です。

2. 【私立高校の学費】法政大学高校の学費

法政大学高校(東京都三鷹市)は、法政大学の付属校で、共学です。

学校の公式サイトによると、2024年度の法政大学推薦資格取得者は97.4%でした。

学費は、公式サイトの「学費・奨学金[2026年度]」に、学年ごとの金額が記載されています。

2.1 法政大学高校 学費(2026年度)

入学手続時に納めるのは入学金30万円で、残りは年2回の銀行自動引落しになります。

授業料は1・2年が年54万6000円、3年が年53万1000円です。

2年の行事費等が27万4715円と大きいのは、修学旅行費が含まれるためで、実施内容などにより金額が変わる可能性があるとされています。

このほか、教科書代・副教科書代(約3万円)、制服代(約6万2000円〜)、体育着代(約4万円)がかかります。

表はPTAに加入した場合の金額で、PTAに加入しない場合は3年間で4万2000円少なくなります。

2.2 法政大学高校 3年間の学費合計

公式サイトに示された学年ごとの金額(PTA加入者)を足すと、次のとおりです。

  • 1年次:127万1093円
  • 2年次:115万1715円
  • 3年次:88万6185円
  • 3年間の合計:330万8993円

3. 青山学院高等部と法政大学高校の費用比較

入学金・授業料と、施設・教育環境のための費用(青山学院高等部は施設設備料、法政大学高校は教育充実費)を比べると、次のとおりです。

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出所:本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

出所:本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

初年度にかかる費用は両校で14万5907円の差、そして授業料は青山学院高等部のほうが年12万円以上高くなっています。

施設・教育環境の費用は、両校とも年25万円前後でほぼ同じ水準。

その結果、3年間の合計は青山学院高等部のほうが18万2007円高くなりました。

4. 【高校無償化】就学支援金を差し引くと負担はいくらになる?

2026年度から、国の「高等学校等就学支援金」が新しくなりました。

文部科学省によると、所得制限が撤廃され、私立高校(全日制)に通う生徒には、世帯年収にかかわらず年45万7200円を上限に授業料が支援されます。

返済は不要ですが、申請が必要です。

ただし、支援の対象は授業料だけ。

入学金や施設関係の費用、積立金などは対象になりません。

また、日本国籍以外の生徒には国籍・在留資格などの要件があります。

なお、以下の試算は令和8年度(2026年度)の支援額を、3年間にそのまま当てはめたものです。

※支援額や学費が変われば、負担額も変わります。

4.1 国の就学支援金(年45万7200円)を差し引いた後の学費

両校とも授業料が年45万7200円を上回るため、毎年上限額いっぱいの支援を受けられる計算です。

3年間で最大137万1600円になります。

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出所:各校の公式サイト、<u><a href="https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm" target="_blank">文部科学省「高校生等への修学支援」</a></u>を基にLIMO編集部作成

出所:各校の公式サイト、文部科学省「高校生等への修学支援」を基にLIMO編集部作成

就学支援金を差し引いても、3年間の負担は青山学院高等部が211万9400円、法政大学高校が193万7393円あるということになりました。

授業料のうち支援の上限を超える分にくわえ、入学金や施設関係の費用、積立金などは支援の対象外だからです。

支援後に残る授業料は、青山学院高等部が年21万2800円、法政大学高校が年7万3800円〜8万8800円です。

4.2 東京都に住んでいる場合は、都の上乗せもある

東京都に住んでいる場合は、都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」も受けられます。

東京都私学財団によると、令和8年度は国の就学支援金とあわせて、最大で年50万1000円(都の分は年4万3800円が上限)まで、実際に負担した授業料を助成します。

所得要件はありません。

国と都の支援を最大まで受けた場合、3年間の負担は、青山学院高等部が198万8000円、法政大学高校が180万5993円になります。

都の助成金は、国の就学支援金とは別に、毎年度の申請が必要です。

4.3 神奈川県・埼玉県に住んでいる場合は、県の補助の対象外

神奈川県や埼玉県にも、私立高校の授業料などを補助する県の制度があります。

ただし、神奈川県の「学費補助金」は県内の私立高校に通う場合、埼玉県の「父母負担軽減事業補助金」は埼玉県が認可した私立学校に通う場合が対象です。

今回の2校はどちらも東京都にあるため、神奈川県や埼玉県から通う場合は、国の就学支援金のみが対象になります。

4.4 支援を受けても、入学時のお金は用意しておくことがおすすめ

支援金は、入学後に申請して支給が決まる仕組みです。

入学手続時には、青山学院高等部で57万円、法政大学高校で30万円が必要になります。

なお、両校とも、保護者が都内に住んでいる場合などに、入学時の費用のうち25万円を無利息で借りられる入学支度金の制度を案内しています。

入学時に必要な金額は、支援を見込まずに準備しておくと安心です。

5. 【青山学院高等部・法政大学高校学費】まとめ

公式に公表されている金額で比べると、3年間の学費等の合計は青山学院高等部が349万1000円、法政大学高校が330万8993円でした。

2026年度から国の就学支援金は所得制限なしで年45万7200円が上限となり、これを差し引くと3年間の負担は約194万〜212万円です。

「高校無償化」といっても、授業料が支援の上限を超える分や、入学金・施設関係の費用、積立金などは家庭の負担として残ります。

私立高校の学費を考えるときは、授業料だけでなく、支援の対象外になる費用や入学時に必要な金額まで含めて確認しておきましょう。

住んでいる都道府県の上乗せ制度が、通う学校の所在地によって使えるかどうかも、あわせて調べておくことが大切です。

6. 著者のコメント

長島 迪子
大学附属の人気の共学校2校を紹介しました。

系列の大学に受験無しで進学できる可能性がある高校は、魅力的ですよね。

授業料の差が大きい2校ですが、施設関係の費用はほぼ同じで、3年間の差は約18万円でした。

本記事は学費を両校の公式サイトから、支援制度を文部科学省などの公式情報から引いているので、資金計画の参考にしてください。

参考資料

長島 迪子