12月は、10月分と11月分の児童手当がまとめて振り込まれる月です。冬のボーナスの時期とも重なり、年末年始の家計の中で児童手当をどう使うかを考えている方もいるでしょう。

児童手当は、2024年10月からの拡充で、いまは高校生年代の子どもまでが対象です。3人目以降の子の手当がどのくらいの家庭に届いているかは、住む地域によっても違いがあるようです。

第3子以降の子には、1人あたり月3万円が支給されます。

こども家庭庁の「令和6年度児童手当事業年報」には、都道府県ごとに、どれくらいの子どもが児童手当の対象になっているかをまとめた表があります。

本記事では、この表から、都道府県別の支給対象児童数と、そのうち第3子以降の子の割合を確かめます。わが県の数字を探しながら読んでいただければと思います。

記事の後半では、子どもの数や支給額が大きい都道府県、12月に受け取る2か月分の金額、受け取る前に考えておきたいことも紹介します。

1. 【都道府県別の児童手当】第3子以降の子の割合は沖縄県22.2%、鹿児島県17.6%、長崎県17.4%

年報の「市町村支給分」の表は、2025年2月末時点の数字です。会社員や自営業者などが市区町村から受け取る分で、公務員の分は含まれていません。0歳から3歳未満、3歳以上中学校修了前、中学校修了後高校生年代、第3子以降の4つの区分を足したものが、支給対象児童数です。

1.1 第3子以降の子の割合が高い都道府県

都道府県ごとに、支給対象児童数のうち第3子以降の子が占める割合を計算し、高い順に上から10番目までを並べると次のとおりです。

  • 沖縄県:22.2%(25万4190人のうち5万6455人)
  • 鹿児島県:17.6%(21万4609人のうち3万7680人)
  • 長崎県:17.4%(16万1884人のうち2万8094人)
  • 佐賀県:17.3%(11万3966人のうち1万9723人)
  • 宮崎県:17.0%(14万5020人のうち2万4633人)
  • 熊本県:16.7%(24万957人のうち4万248人)
  • 島根県:16.1%(8万977人のうち1万3041人)
  • 鳥取県:15.5%(6万7703人のうち1万516人)
  • 大分県:15.1%(14万1259人のうち2万1311人)
  • 福岡県:14.7%(74万841人のうち10万9080人)

沖縄県は、支給対象児童数25万4190人のうち5万6455人が第3子以降の子で、割合は22.2%でした。上から10番目までのうち8県が九州・沖縄の県で、残る2県は島根県と鳥取県です。

児童手当の第3子以降の子の割合が高い都道府県(2025年2月末時点)1/2

児童手当の第3子以降の子の割合が高い都道府県(2025年2月末時点)

出所:こども家庭庁「児童手当事業年報」をもとにLIMO編集部作成

3人目以降の子がいる家庭が多い地域では、第3子以降の月3万円が家計に与える影響も大きくなると考えられます。

九州・沖縄の県が多く並ぶのは、きょうだいの人数など、地域ごとの家族の形が関係しているのかもしれません。ただ、この表だけで理由まではわからないため、数字の傾向として受け止めておきたいところです。

1.2 第3子以降の子の割合が低い都道府県

割合が低い順に5都県を並べると、次のとおりです。

  • 東京都:8.7%(166万3984人のうち14万4698人)
  • 神奈川県:9.6%(119万5883人のうち11万4230人)
  • 千葉県:10.4%(81万6989人のうち8万4750人)
  • 埼玉県:10.6%(96万3743人のうち10万2119人)
  • 愛知県:11.1%(108万4462人のうち12万663人)

第3子以降の子の割合は、きょうだいの人数や、上の子との年の離れ方など、家族の形によって変わります。地域によって割合が違うのは、こうした家族の形のほか、さまざまな理由が考えられるでしょう。

割合が低い5都県は、どこも支給対象児童数が80万人を超える地域です。

割合は、子どもがどの区分に分かれているかを示す数字といえるでしょう。わが家と同じ区分の子がどれくらいいるかを知る手がかりとして、地域の数字を眺めてみるとよいでしょう。

自分の住む地域では、どれくらいの子が3人目以降として手当を受け取っているのだろう、と気になった方もいるかもしれません。

こども家庭庁の年報の人数から計算すると、2025年2月末時点の第3子以降の子の割合は、沖縄県が22.2%、鹿児島県が17.6%、長崎県が17.4%でした。東京都は8.7%です。

地域の数字が、わが家の受け取る金額を決めるわけではありません。ただ、第3子以降の月額が大きいことを知っておくと、きょうだいがいる家庭では、わが家の金額をあらためて確かめるきっかけになるでしょう。

 

2. 【子どもの数と支給額】支給対象児童数は東京都166万3984人、1年間の支給額は約1817億円

同じ年報から、支給対象児童数が多い都道府県と、1年間の支給額が大きい都道府県も見ておきます。どちらも公務員の分は含みません。

2.1 支給対象児童数が多い都道府県

支給対象児童数が多い順に5都府県を並べると、次のとおりです(かっこ内は中学校修了後高校生年代の人数)。

  • 東京都:166万3984人(27万5840人)
  • 神奈川県:119万5883人(20万6110人)
  • 大阪府:116万4836人(19万6085人)
  • 愛知県:108万4462人(18万2721人)
  • 埼玉県:96万3743人(16万9064人)

2.2 1年間の支給額が大きい都道府県

2024年度の支給額(特例給付を含む)が大きい順に5都府県を並べると、次のとおりです。47都道府県を合わせると、約1兆8819億円でした。

  • 東京都:約1817億円
  • 大阪府:約1357億円
  • 神奈川県:約1317億円
  • 愛知県:約1248億円
  • 埼玉県:約1104億円

大阪府は、支給対象児童数では3番目ですが、支給額では2番目です。支給額は子どもの年齢の区分や第3子以降の人数によって変わるため、人数の並びと支給額の並びが同じになるとは限らないと考えられます。

東京都は支給対象児童数が166万3984人と多い一方で、第3子以降の子の割合は8.7%でした。

支給額が大きい地域の数字は、それだけ多くの家庭に、毎年まとまったお金が届いていることを示していると考えられます。地域の子育て世帯を下支えしている制度だといえるでしょう。

人数や支給額が上位の5都府県は、どちらの並びでも同じ顔ぶれです。数字の大きさには、その地域の子育て世帯の多さが表れていると考えられます。

人数や金額が大きい地域の数字を見ると、児童手当が多くの家庭の家計を支える制度であることがわかります。わが家にとって、年間でどのくらいの重みがあるお金なのかも、あわせて考えてみたいところです。

3. 【12月に受け取る児童手当】10月・11月分の2か月分、第3子以降の子は1人6万円

児童手当が支給されるのは、偶数月の年6回です。それぞれ前の月までの2か月分がまとめて支払われるため、12月には10月分と11月分を受け取ります。

3.1 子ども1人あたりの児童手当の月額

  • 3歳未満の子:1人月1万5000円
  • 3歳以上高校生年代までの子:1人月1万円
  • 第3子以降の子:1人月3万円

3.2 12月に受け取る2か月分(子ども1人あたり)

  • 3歳未満の子:2か月分で1人3万円
  • 3歳以上高校生年代までの子:2か月分で1人2万円
  • 第3子以降の子:2か月分で1人6万円

児童手当の月額と、12月に受け取る2か月分(子ども1人あたり)2/2

児童手当の月額と、12月に受け取る2か月分(子ども1人あたり)

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」をもとにLIMO編集部作成

たとえば、3歳未満の子と小学生の子の2人きょうだいなら、月額は1万5000円と1万円で2万5000円となり、12月に受け取る2か月分は5万円です。ここに第3子以降にあたる子が加わると、その子の分は2か月分で6万円になります。

第3子以降にあたるかどうかは、上の子から順に数えて決まります。数えるのは手当の対象の子どもと、親などが経済的な負担をしている22歳になる年度末までの兄や姉で、その中で3人目以降の子が第3子以降です。上の子が高校を卒業していても、状況によっては下の子が第3子以降にあたります。

12月は出費が増えやすい月なので、児童手当が入る時期をあらかじめ知っておくと、年末年始の予算も組みやすくなるでしょう。第3子以降の子がいる家庭では、まとまって入る金額も大きくなるため、使い道を早めに決めておきたいところです。

3歳以上高校生年代までの子が中心の家庭では、2か月分は1人2万円ですが、子どもが2人、3人と増えれば、その分だけ受け取る金額も積み上がっていくでしょう。

きょうだいの数や年齢によって、12月に受け取る金額は家庭ごとに大きく変わるでしょう。全体の数字ではなく、わが家の子どもの区分から計算してみることが大切だと考えられます。

12月の次に支給されるのは2月で、12月分と1月分の2か月分です。年末年始は出費がかさみやすいので、2月にも振り込みがあることを頭に入れて、年明けの家計の見通しを立てておくと安心です。

3歳未満の子は、3歳になると「3歳以上高校生年代まで」の区分に移り、月額は1万5000円から1万円になります。どの月の分から変わるかは、お住まいの市区町村の案内で確かめておきたいところです。

なお、保育料や、申し出があった場合の学校給食費などを、市区町村が児童手当から徴収できる仕組みもあります。実施するかどうかは市区町村によって異なるため、振り込まれる金額が上の金額と同じとは限りません。

4. 【12月の支給の前に】わが家の受け取る金額と使い道を書き出す

12月は、冬のボーナスや年末年始の出費が重なりやすい月です。児童手当が振り込まれる前に、いくら入るのかと何に使うのかを決めておくと、ほかのお金とまぎれにくくなるでしょう。

4.1 子どもごとの区分を確かめて、2か月分を計算する

子どもそれぞれが、3歳未満か、3歳以上高校生年代までか、第3子以降にあたるかを書き出します。区分ごとの2か月分を足すと、12月に受け取るおおよその金額がわかります。

上の子が大学生などで、親が生活費を負担している場合は、第3子以降の数え方に関わることがあります。兄や姉の状況が変わったときの手続きは、お住まいの市区町村の案内で確かめておきたいところです。

4.2 受け取ったら、使い道を先に分けておく

受け取った児童手当は、教育費の積み立て、年末年始の出費、ふだんの生活費などに分けて考えてみてはいかがでしょうか。積み立てる金額を先に決めて別の口座に移しておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。

児童手当は、ふだん使っている口座に振り込まれることが多く、気づかないうちに日々の支出にまぎれやすいお金かもしれません。振り込まれた日を家計簿やカレンダーに書いておくと、使い道を決めるきっかけになるでしょう。

年末年始は、親族からお年玉などを受け取る子どももいる時期です。子どもごとにいくら貯まっているかを1年に一度確かめておくと、進学の準備の見通しも立てやすくなるでしょう。

金額を書き出してみると、思っていたより大きいと感じる家庭もあれば、意外と少ないと感じる家庭もあるかもしれません。どちらの場合も、受け取る金額を知っておくことが、来年の家計を考える出発点になるでしょう。

年末に一度書き出しておけば、来年の支給のときにも同じ表を使えるでしょう。子どもの誕生日や進学の時期もあわせて書いておくと、区分が変わる時期にも気づきやすくなるかもしれません。

高校生年代の子がいる家庭では、進学の費用が近づいてくる時期でもあります。拡充で受け取れるようになった分を、進学の準備にあてると決めておくのも一つの方法でしょう。

5. まとめにかえて

児童手当は、子どもが生まれてから高校生年代になるまで受け取れるお金です。1回ごとの金額は大きく見えなくても、積み重なると家計を支える大切な収入になります。

年報の都道府県別の表の人数から計算すると、第3子以降の子の割合が沖縄県で22.2%、東京都で8.7%と、地域によって子どもの区分の分かれ方が違うこともわかりました。

12月の支給をきっかけに、わが家の受け取る金額と使い道を一度書き出しておくと、来年の家計の見通しも立てやすくなるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子