『サザエさん』の公式ホームページのキャラクター紹介によると、磯野波平さんは54歳、フグ田マスオさんは28歳です。マスオさんは、海山商事の営業課に勤めています。

2人の給料を、今の会社員の給料にあてはめると、どのくらいの水準になるのでしょうか。年齢が上がると給料はどれくらい増えるのか、年収1000万円を超える人はどのくらいいるのか—気になっている方もいるでしょう。

ここでは、厚生労働省と国税庁の最新の統計をもとに、年齢別・役職別の給料と、年収1000万円を超える人の割合を確かめます。

※年齢と勤め先は、『サザエさん』公式ホームページのキャラクター紹介によるものです。給料は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」の、一般労働者の男性の所定内給与額(月額)です。所定内給与額には、残業代や賞与は含まれません。

1. 【年齢別の給料】50〜54歳の男性は月43万7500円、25〜29歳は月28万8000円

厚生労働省の同概況では、年齢階級別の賃金を示しています。男性の所定内給与を年齢で見ると、次のとおりです。

1.1 男性の所定内給与は55〜59歳の月44万5600円がピーク

  • 【25〜29歳】月28万8000円
  • 【40〜44歳】月39万8200円
  • 【50〜54歳】月43万7500円
  • 【55〜59歳】月44万5600円

1.2 54歳の波平さんと28歳のマスオさんでは月14万9500円の差

波平さんの54歳は50〜54歳、マスオさんの28歳は25〜29歳の区分にあたります。それぞれの平均は月43万7500円と月28万8000円で、差は月14万9500円です。

男性全体の平均は月37万3400円で、平均年齢は45.2歳です。年齢が上がるにつれて給料は増え、60歳を過ぎると下がっていく形になっています。

2. 【波平さんの月給】作中の月78万5420円は50〜54歳の平均の約1.8倍

アニメでは、波平さんの月給は78万5420円とされています。50〜54歳の男性の平均(月43万7500円)と比べると約1.8倍で、月34万7920円多い金額です。

※波平さんの月給は、アニメの作中で言及された金額です。統計の平均とは前提が異なるため、目安として比べています。

2.1 役職別では部長級が月64万2400円

同概況では、雇用期間の定めのない一般労働者について、役職別の賃金も示しています。男性の金額と平均年齢は次のとおりです。

  • 【部長級】月64万2400円(平均53.1歳)
  • 【課長級】月54万1400円(平均49.5歳)
  • 【係長級】月41万900円(平均45.3歳)
  • 【非役職者】月33万2100円(平均42.1歳)

2.2 波平さんの月給は部長級の平均より月14万3020円多い

波平さんの月給は、部長級の平均を月14万3020円上回ります。波平さんとマスオさんの役職は、公式のキャラクター紹介には書かれていません。役職別の金額は、年齢別とは別の目安として見るのがよいでしょう。

※役職別の賃金は一般労働者のうち雇用期間の定めのない人、年齢別の賃金は一般労働者全体が対象で、範囲が異なります。

男性の役職別の所定内給与(月額)と平均年齢・平均勤続年数(2025年)1/1

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の概況で、雇用期間の定めのない男性の役職別の所定内給与を比べた図。部長級は月64万2400円(53.1歳・勤続22.9年)、課長級は月54万1400円(49.5歳・21.3年)、係長級は月41万900円(45.3歳・17.8年)、非役職者は月33万2100円(42.1歳・11.7年)。課長級は係長級より月13万500円多く、非役職者の約1.6倍

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

3. 【年収1000万円超】男性の給与所得者の10.2%

波平さんの月給78万5420円の12か月分は942万5040円です。賞与を年4か月分と仮定すると、年収は1256万6720円になります。

※LIMO編集部による試算です。賞与の月数は仮定で、作中で示されたものではありません。

では、年収1000万円を超える人は現代日本でどのくらいいるのでしょうか。1年を通じて勤務した男性の給与所得者を、年間の給与額ごとに分けると次のとおりです(国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」)。

3.1 1000万円を超える男性は299万9000人

  • 【1000万円超1500万円以下】213万5000人
  • 【1500万円超2000万円以下】53万9000人
  • 【2000万円超2500万円以下】14万7000人
  • 【2500万円超】17万8000人

3.2 令和5年分の8.6%から10.2%に

合計は299万9000人で、男性の給与所得者2933万7000人の10.2%です。令和5年分では8.6%で、年収1000万円を超える男性の割合は2年で増えています。同調査では、男性の平均給与は597万円でした。

女性の給与所得者2229万4000人のうち、年間の給与が1000万円を超えるのは39万8000人で、1.8%です。

※割合は、第16表の人数(千人単位)をもとに計算したものです。

4. 月給だけでは年収は見えない

ここからは、統計の数字を読むときの注意点と、年齢や役職と給料の関係を確かめます。

4.1 所定内給与には残業代や賞与が入らない

賃金構造基本統計調査の所定内給与額は、毎月決まって支給される給与から残業代などを除いた金額です。賞与は含まれないため、賞与のある人の年収は、所定内給与の12か月分より多くなります。

一方、国税庁の民間給与実態統計調査の給与は、1年間に支払われた給料・手当と賞与の合計です。どちらの統計を見ているかで、金額の意味が変わります。

4.2 役職の平均年齢は40代から50代

係長級の平均年齢は45.3歳、課長級は49.5歳、部長級は53.1歳です。男性の平均勤続年数も、非役職者の11.7年に対し、係長級は17.8年、課長級は21.3年、部長級は22.9年と長くなっています。

役職は、勤続年数を重ねながら上がっていく人が多いことがうかがえます。この平均年齢は、いまその役職にいる人の年齢の平均で、昇進したときの年齢ではありません。

また、年齢別・役職別の金額は毎月の所定内給与の平均で、同じ年齢や役職でも会社の規模や業種によって幅があります。自分の給料と比べるときは、勤め先の規模や業種も、あわせて頭に置いておきたいところです。

5. まとめにかえて

まずは、自分の給与明細で、所定内給与にあたる基本給や手当の合計を確かめてみましょう。そのうえで、同じ年代や役職の統計と比べると、今の位置が見えてきます。

役職や年収は、会社の規模や業種によっても変わります。統計の平均は、自分の働き方を考えるときの一つの物差しです。

役職を目指すなら、今の仕事で身につけたいスキルや、取りたい資格を一つ決めてみましょう。役職以外の道を選ぶ人にとっても、得意な分野を伸ばすことは、給料を考えるうえでの手がかりになります。一歩ずつ積み上げていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事の金額は、統計の平均です。実際の給料は、勤め先の規模や業種、勤続年数などによって変わります。

参考資料

宮野 茉莉子