私立大学の医学部は、東京都内の3大学を見ても6年間の学費が2000万円を超えます。医学部受験予備校の医進の会による独自分析では、2027年度入試で「地域枠」を設ける大学は72大学あり、東京都の地域枠で順天堂大学に入ると、6年間で総額2800万円が貸与されます。
ただし、同じ大学でも都県によって貸与額は大きく違い、返還の免除には9年間の勤務という条件があります。東京都の奨学金の対象となる私立3大学(順天堂・日本医科・杏林)を例に、学費と貸与額、事前に確認したい点を整理します。
1. そもそも医学部の「地域枠」とは?2027年度は約72大学で実施
地域枠とは、卒業後に地域の医療へ従事することを条件に、都道府県などから修学資金が貸与される入学枠です。所定の期間を働くと、返還が免除される仕組みになっています。
医進の会が2026年9月30日に公表した「【独自分析】2027年度医学部入試の選抜方式を調査」では、集計対象の81大学のうち72大学が地域枠を設けています。1大学あたりの地域枠の人数は、平均で約27名とされています。
なお、順天堂大学の2027年度入学試験要項では、地域枠の募集人員は文部科学省への入学定員増員認可申請を予定したうえでのものとされており、今後変更される可能性があります。
2. 順天堂・日本医科・杏林の6年間の学費はいくら?
東京都の資料によると、6年間の学費(修学費)は順天堂大学が2080万円、日本医科大学が2200万円、杏林大学が3700万円です。
最も高い杏林大学と最も低い順天堂大学の差は、1620万円になります。
- 順天堂大学:2080万円
- 日本医科大学:2200万円
- 杏林大学:3700万円
順天堂大学の学費は、2027年度入学試験要項の1年次290万円、2年次以降の年358万円と一致します。初年度は学費とは別に、寮費や諸会費、教材費として46万9800〜49万9800円がかかります。
日本医科大学の2200万円は大学の公表値で、適用年度の記載はありません。
3. 東京都の地域枠なら貸与総額はいくら?
東京都地域医療医師奨学金の特別貸与奨学金では、入学金や授業料、施設設備費などの修学費が全額貸与されます。さらに生活費として、1年次から6年次まで月額10万円が貸与され、6年間では720万円です。
たとえば順天堂大学では、修学費2080万円と生活費720万円を合わせた2800万円が貸与総額になります。
- 順天堂大学:2800万円(修学費2080万円+生活費720万円)
- 日本医科大学:2920万円(修学費2200万円+生活費720万円)
- 杏林大学:4420万円(修学費3700万円+生活費720万円)
令和9年度(2027年度)入試の募集人数は、順天堂大学8人、杏林大学8人、日本医科大学5人の予定です。
修学費が全額貸与されるため、東京都の地域枠では、大学ごとの学費の差が家計の負担の差になりにくいと考えられます。
3.1 返還が免除される条件は?
順天堂大学の2027年度入学試験要項では、医師免許の取得後、在籍大学の都内附属病院での初期臨床研修を含めて9年間、都内で勤務することが返還免除の条件とされています。
9年間のうち4年6か月以上は、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、都内の医療機関に勤務します。残りの期間の勤務先にも定めがあり、大学卒業から2年以内に医師国家試験に合格することも条件です。
東京都のWebページでは「研修修了後、7年間継続して勤務」と表記されています。細かな条件は、各大学の募集要項で確認してください。