中学受験では、志望校の偏差値や入試日程に目が向きがちですが、入学後にかかる学費も気になるところです。
私立中学校の学費は、入学金や授業料だけでなく、施設関係の費用や積立金など、学校によって費目も金額もさまざまです。
本記事では、自身も埼玉県で小学生の息子を育てる筆者が、首都圏で人気の私立中学校の学費について調べました。
中学校受験を意識するのは小学校低学年から、という周囲の話を聞いた経験もあり、受験をする場合は、余裕を持って準備するのがよさそうです。
今回は、2026年度入試で出願者数が大きく増えた共学校として、埼玉県さいたま市の埼玉栄中学校と、東京都墨田区の安田学園中学校の2校を取り上げます。
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四谷大塚の集計(2026年2月12日時点)によると、2026年度入試で前年より出願者数が増えた首都圏の共学校のランキングで、埼玉栄中学校は1位(6129人、前年比903人増)、安田学園中学校は3位(3831人、同795人増)でした。
両校が公式サイトで公表している金額をもとに、初年度の費用と3年間の総額を比べます。
1. 【私立中学校の学費】埼玉栄中学校の学費
埼玉栄中学校(さいたま市西区)は、共学の中高一貫校です。公式サイトの入試結果によると、2026年度入試の出願数は全5回と帰国生入試の合計で6129人でした。
同校で中学時代を過ごしたアスリートに、ミラノ・コルティナ2026オリンピックの男子シングルで銅メダル、団体戦で銀メダルを獲得した、フィギュアスケートの佐藤駿選手がいます。
日本スケート連盟の公式記録では、2018年11月の全日本ジュニア選手権に「埼玉栄中学校」の所属で出場しています。
2027年度入学者の学費は、公式サイトで公開されている「2027年度 募集要項」に、予定額として次のとおり示されています。
1.1 埼玉栄中学校 初年度納付金(2027年度予定)
入学手続時に納めるのは入学金25万円で、4月の前期に施設設備拡充費・管理費・授業料の前期分をあわせた51万6000円、10月の後期に授業料の後期分21万6000円を納めます。授業料は月額3万6000円です。
このほか、修学旅行積立金・生徒会費・保護者会費・後援会費・諸費などが別にかかりますが、募集要項に金額は書かれていません。制服などの費用もかかります。
また、入学後に教育研究環境整備などのための任意の寄付金(1口5万円、2口以上)の募集があります。
1.2 埼玉栄中学校 3年間の学費合計(試算)
募集要項では、授業料のほかに施設設備拡充費と管理費も2・3年次に納めるとされています。2027年度の金額が3年間変わらないと仮定すると、次のとおりです。
- 1年次:98万2000円
- 2〜3年次:73万2000円×2年=146万4000円
- 3年間の合計:244万6000円
2. 【私立中学校の学費】安田学園中学校の学費
安田学園中学校(東京都墨田区)は、共学の中高一貫校です。
公式サイトの中学入試結果によると、入学者数は2024年度の210名から、2025年度は246名、2026年度は288名と増えています。
同校で中学時代を過ごしたアスリートに、プロバレーボール選手で、男子日本代表の主将も務めた柳田将洋選手がいます。
江戸川区の公式サイトのプロフィールでは、柳田選手は安田学園中学校から東洋高等学校、慶応義塾大学へと進み、2018年4月にバレーボール男子日本代表の主将に就任されています。
学費は、公式サイトで公開されている「2027年度 中学校 生徒募集要項(正式版)」に、2025年度の各学年の実績として次のとおり示されています。
2.1 安田学園中学校 学費年額(2025年度 各学年実績)
入学手続時には、入学金25万円と入学準備費用(約15万円)を納めます。
入学準備費用は、学年費や教材費、PTA入会金(1万円)、生徒会入会金(7000円)などに充てられます。
このほか、制服代が約10万円、体育着などの代金が約4万円かかり、学校は入学時の合計を約54万円としています。
入学後の学費は、年4回(4月・7月・10月・1月)に分けて納めます。
授業料などのほかに、旅行積立金(年18万円)や学年費、iPadの費用も学校が示す年間総額に含まれています。
中学3年ではニュージーランド短期留学(約70万円)がありますが、為替の影響で費用が上がったため、2024・2025年度は希望制に変更したとされています。
なお、金額は2025年度の実績で、入学後に変更される可能性があるとされています。
2.2 安田学園中学校 3年間の学費合計(試算)
埼玉栄中学校とそろえるため、入学金・授業料・施設関係の費用(設備維持費と教育充実費)で計算します。
2025年度の実績額が3年間変わらないと仮定すると、次のとおりです。
- 1年次:94万6000円
- 2〜3年次:69万6000円×2年=139万2000円
- 3年間の合計:233万8000円
このほか、会費(年約2万8000円)や旅行積立金、学年費、iPadの費用などがかかります。
学校が示す年間総額(入学金・入学準備費用を除く)は、中学1年が約102万円、2年が約97万円、3年が約170万円です。
3. 埼玉栄中学校と安田学園中学校の費用比較
入学金・授業料と、施設関係の費用(埼玉栄は施設設備拡充費と管理費、安田学園は設備維持費と教育充実費)を比べると、次のとおりです。
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出所:本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成
入学金はどちらも25万円でした。
授業料は安田学園中学校のほうが年6万円高い一方、施設関係の費用は埼玉栄中学校のほうが年9万6000円高くなっています。
その結果、3年間の合計は埼玉栄中学校のほうが10万8000円高くなりました。
ただし、埼玉栄中学校は2027年度の予定額、安田学園中学校は2025年度の実績額で、年度がそろっていません。
また、会費や積立金、制服代などはこの比較に含めていません。安田学園中学校はこうした費用の金額まで公表していますが、埼玉栄中学校の募集要項には金額が書かれていない費用もあります。
この点は注意が必要ですね。
4. 【埼玉栄中学校・安田学園中学校学費】まとめ
公式に公表されている金額で比べると、入学金・授業料・施設関係の費用の3年間の合計(試算)は、埼玉栄中学校が244万6000円、安田学園中学校が233万8000円でした。
授業料は安田学園中学校、施設関係の費用は埼玉栄中学校のほうが高く、合計の差は約11万円です。
学費を比べるときは、授業料だけでなく、施設関係の費用や積立金、学校によって金額が公表されていない費用まで含めて確認することが大切です。
また、両校とも中高一貫校なので、高校3年間を含めた6年間の教育費として見通しておくと安心です。
本記事が、受験を検討されている方の一助になれば幸いです。
5. 著者のコメント
一方で、授業料が高いか、施設関係の費用が高いかという違いがあり、積立金などの公表のしかたも学校によって異なります。
本記事は両校の公式サイトに掲載された金額だけを使っているので、志望校選びの参考にしてください。
参考資料
- 埼玉栄中学校 公式サイト「募集要項(2027年度 募集要項)」
- 埼玉栄中学校 公式サイト「入試結果」
- 安田学園中学校 公式サイト「中学入試募集要項(2027年度 中学校 生徒募集要項 正式版)」
- 安田学園中学校 公式サイト「中学入試結果」
- リセマム「【中学受験2026】出願者数が増えた首都圏私立中ランキング共学1位は埼玉栄、男子校と女子校は?…四谷大塚」
- 日本スケート連盟 公式記録「第87回全日本ジュニア選手権大会 ジュニア男子ショートプログラム」
- 埼玉栄中学・高等学校「本校卒業生 佐藤駿 選手 冬季五輪銅メダル」
- 江戸川区「柳田 将洋(やなぎだ まさひろ)さん(バレーボール)」
長島 迪子
