母国に帰ってドイツ語を話しているのに、文の最後に日本語の「みたいな」を足してしまう――。日本で暮らす外国人ならではの“あるある”です。

アメリカやオーストリア出身の人たちが、つい出てしまう日本語のクセを笑いながら明かす様子は、TikTokで24万回以上再生。投稿したのは@mrfuji_from_japanさんです。

1. 【外国語を話してるのに】「なんか」「みたいな」「まぁ」…日本語に慣れた外国人がついやってしまうこと

オーストリア出身の女性「“なんか/みたいな/って感じ”。」1/2

オーストリア出身の女性「“なんか/みたいな/って感じ”。」

出所:@mrfuji_from_japan

オーストリア出身の女性は「日本語ってさ、あんまり意味の無い言葉も挟んで喋るじゃん」。「なんか」「みたいな」「って感じ」をめちゃくちゃ言うので、母国でドイツ語を話していても、最後に「みたいな」と足してしまうそうです。

「お母さんにもめっちゃ言ってるけど何も言われない」と笑います。アメリカ出身の男性も「まぁ…」「あれだよ、あの〜…」と、日本語のつなぎ言葉が出てしまう様子を再現していました。

アメリカ出身の男性「“言い切らずに、でももう喋り終わるんです”みたいなのが」2/2

アメリカ出身の男性「“言い切らずに、でももう喋り終わるんです”みたいなのが」

出所:@mrfuji_from_japan

別のアメリカ出身の男性は、日本語は「…」で終わる文章が多く、「言い切らずに、でももう喋り終わるんです」という部分が「二言くらい前から分かるのが日本語というか」と分析します。

伝えたい内容が終わったあとも、語尾のニュアンスの部分が長いため、相づちを打ちやすい。これに対し英語では「“うん”って言おうと思ったタイミングには次の主語始まってる」のだそうです。

コメント欄には「あぁ、言い切るのが苦手だから、外国語勉強しても喋るの苦手なんかな私」という声も寄せられていました。

@mrfuji_from_japanさん、ご協力ありがとうございました!

2. 日本語の力はどう測る?「日本語教育の参照枠」の6つのレベル

日本語の力を測る目安の一つに、「日本語教育の参照枠」があります。

文部科学省の日本語教育実態調査によると、同参照枠では、「全体的な尺度」としてA1からC2までの6つのレベルが示されています。

また、言語活動を「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」の5つに分けて捉えています。

動画のように、相づちのタイミングまで身につけるのは、「話す(やり取り)」の力といえそうです。

母国語にまで日本語のクセが出るほど、日本語を使いこなす外国人たち。日本で日本語を学ぶ人は、どのくらいいるのでしょうか。

3. 国内の日本語学習者は29万4198人、日本語教育の推進に15億8700万円

文部科学省の「日本語教育実態調査 令和6年度 報告」によると、令和6年11月1日現在、国内の日本語学習者数は29万4198人、日本語教師等の数は5万309人、日本語教育を行う機関・施設等の数は2669でした。日本語学習者数は、平成2年度の6万601人から増えています。

また、文部科学省の「令和8年度予算(案)主要事項」では、外国人等に対する日本語教育の推進に15億8700万円(前年度予算額15億9800万円)が計上されています。

学習者の内訳は、法務省告示機関が13万6232人で最も多く、大学等機関が5万4928人と続きます。

日本で日本語を学ぶ人は、平成2年度から着実に増えているようです。

4. 日本語教室がない「空白地域」は722、地方公共団体の38.2%

一方で、身近な地域に日本語を学べる場がない地域もあります。同調査では、大学等機関や法務省告示機関を除いて、外国人等に対する日本語教育の実施が確認できなかった市区町村を「空白地域」と整理しており、その数は722(政令市の行政区を含む)、地方公共団体数に占める割合は38.2%でした。

文部科学省は、日本語教室がない市区町村に専門家チームを派遣して教室の立ち上げを支援するなど、「日本語教室空白地域解消の推進強化」を進めるとしています。

地域の日本語教室は、近所で暮らす外国人と住民が言葉を交わすきっかけにもなります。

動画の男性が、日本語は相づちを打ちやすいと話していたように、言葉を学ぶことは、相手の話にうなずき、会話を重ねる力を身につけることでもあるのかもしれません。

5. 日本語教育の統計、よくある疑問

Q. 「日本語教室空白地域」とは?

A. 文部科学省の日本語教育実態調査では、調査結果を用い、大学等機関と法務省告示機関を除いて、外国人等に対する日本語教育(オンラインによる日本語教育を除く)の実施が確認できなかった市区町村を「空白地域」と整理しています。

Q. 日本語学習者は、どこの出身の人が多い?

A. 文部科学省の令和6年度の日本語教育実態調査によると、出身国・地域別では中国が最多の7万8821人(26.8%)で、次いでネパールが4万5821人でした。機関別では、法務省告示機関が13万6232人(46.3%)で最も多くなっています。

6. 著者からの一言コメント

小野 温子
母国語を話していても「みたいな」が出てしまうほど、日本語が生活に溶け込んでいる様子が楽しい動画でした。私たちが何気なく使う「なんか」や「まぁ」にも、相手との距離を測るような役割があるのかもしれません。外国人の視点から、日本語の特徴に改めて気づかされました。

参考資料

小野 温子