鉄板焼きのカウンターで、料理人の手元を眺めながら焼き上がりを待つ時間。日本ではおなじみの光景も、料理のプロの目には新鮮に映ったようです。

フランスでシェフをしている男性が、初めての鉄板焼きで和牛を味わう様子をとらえた動画。@samuraiflagさんがYouTubeで公開し、37万回を超えて再生されています。

1. 【初めての鉄板焼き】黒毛和牛に「バターみたいだ」、焼き加減のコツを聞かれたマスターの答えは「経験」と「感覚」

目の前の鉄板で焼き上げられた黒毛和牛1/2

目の前の鉄板で焼き上げられた黒毛和牛

出所:@samuraiflag

フランスでシェフをしている男性は、和牛の調理を見るのも初めて。理想的な焼き目をつける秘密を尋ねると、マスターの答えは、シェフを20年続けてきた「経験もあるし感覚もすごく大事」というものでした。

焼き上がった黒毛和牛を口にした男性は「バターみたいだ」。和牛を食べるのは、この日が初めてだったそうです。

食事の最後には「間違いなく今までの中でこの鉄板焼きは1番だと思うよ」2/2

食事の最後には「間違いなく今までの中でこの鉄板焼きは1番だと思うよ」

出所:@samuraiflag

焼きそばにのった目玉焼きの黄身には「こんな色の卵は見たことない」。マスターによると、卵を産むニワトリの餌にパプリカなどを混ぜて、黄身を健康的な色にしているそうです。

食事の最後、パートナーの女性は「間違いなく今までの中でこの鉄板焼きは1番だと思うよ」。「彼がこんなにすごく嬉しそうに食べてるの初めて見たから」と笑顔を見せました。

コメント欄には「鉄板焼き、目の前で調理する過程を見られる点も、楽しいですね」という声も寄せられていました。

@samuraiflagさん、ご協力ありがとうございました!

2. 「和牛」と呼べるのはどんな牛?動画に登場した黒毛和種とは

「和牛」は牛の品種に着目した区分で、黒毛和種・褐毛和種・無角和種・日本短角種の4品種と、それらの交雑種だけを指します。

それ以外の牛は「和牛」と表示できません。

動画に登場した黒毛和牛の品種・黒毛和種は、明治時代に外国種と交配して改良され、昭和19年に日本固有の肉用種に認定されました。

肉用牛は、種付けから出荷まで約3年かかるそうです。

フランス人シェフが「バターみたいだ」と味わった日本の牛肉。海外では、どのくらい求められているのでしょうか。

3. 2025年の牛肉の輸出額は731億円、農林水産物・食品全体では1兆7005億円で過去最高

農林水産省の「令和7年度 食料・農業・農村白書」概要によると、牛肉の輸出額は和牛肉の品質の高さを背景に増加傾向にあり、2025年は731億円と前年に比べ12.8%増加しました。

農林水産物・食品全体の輸出額は1兆7005億円(前年比12.8%増)で、過去最高を更新しています。品目別では、牛肉や米、緑茶、ぶりなどが過去最高を記録しました。

牛肉の増加要因について、農林水産省は「欧米・アジア向けが既存商流の拡大や新規商流の開拓等による需要の高まりにより増加」としています。

国内で育てられた和牛が、海外の食卓やレストランにも広がっているようです。

4. 旅先で味わった日本食が、海外での人気に?輸出が伸びた主な要因に「インバウンド」

同白書の概要では、2025年の農林水産物・食品の輸出額が増えた主な要因として、「インバウンドの増加による日本食の認知度向上や健康志向の高まり等」を挙げています。

観光庁の「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」では、訪日客が最も満足した飲食は「肉料理」(32.5%)で、「ラーメン」(19.7%)、「寿司」(13.7%)を上回りました。

旅先で日本の味を知った人が、帰国後もその味を求めるようになれば、和牛を育てる生産者など、国内の食の担い手にとっても新たな売り先が広がることになりそうです。

動画の男性は、将来はフランスで自分のレストランを開きたいそう。日本で食べた料理から店に生かせそうなアイデアを聞かれると、「フレンチに日本の要素を取り入れて」と話していました。

5. 日本の農林水産物・食品の輸出、よくある疑問

Q. 「農林水産物・食品の輸出額」は、何をもとに集計されている?

A. 財務省の「貿易統計」をもとに、農林水産省が作成しています。2025年の1兆7005億円は少額貨物を含む金額で、農産物・林産物・水産物に分類できない油脂等も合計額に含まれています。

Q. 輸出額には、目標がある?

A. 「令和7年度 食料・農業・農村白書」概要によると、輸出額を2兆円とする中間目標には届かなかったものの、牛肉や米・パックご飯等、茶等の輸出重点品目で過去最高を更新しました。今後は、2030年の輸出額5兆円目標の達成に向けて輸出拡大を加速化するとしています。

6. 著者からの一言コメント

小野 温子
料理のプロが、焼き加減の秘訣を真剣に尋ねる姿が印象的な動画でした。「経験」と「感覚」というマスターの答えに、職人の世界ならではの奥深さを感じます。旅先で出会った一皿が、海外での日本食の人気を支えているのかもしれません。

参考資料

小野 温子