1. 【難読地名】神奈川県の「弘明寺」「不入斗」「公所」の読み、それぞれの地価を紹介

駅名や住所で見かけるのに、いざ読もうとすると迷ってしまう地名はありませんか。

神奈川県には、古い寺院や中世の土地制度、役所が置かれた場所などに由来する、独特な読み方の地名が残っています。

今回は、神奈川県にある難読地名を3つ出題します。あわせて、その街の地価や交通事情など「お金」にまつわるデータも紹介します。

住まい選びや資産を考えるヒントとしてもお楽しみくださいね。

2. 【神奈川県の難読地名】横浜市南区「弘明寺」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

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最初にご紹介するのは横浜市南区の「弘明寺」です。

京急本線と横浜市営地下鉄ブルーラインの駅名にもなっているので、目にしたことがある方も多いでしょう。

「こうみょうじ」と読みたくなりますが、不正解です。

2.1 読み方は「ぐみょうじ」

「ぐみょうじ」と読みます。

平凡社『日本歴史地名大系』によると、江戸時代の弘明寺村は東西約2町、南北約4町の小さな村でした。村の南東を大岡川が流れ、金沢道(弘明寺道)が村内を通っていたそうです。

地名は、村内にある坂東三十三観音の第14番札所「弘明寺」にちなみます。お寺の名前が、そのまま村の名前、そして今の町名になったというわけです。

2.2 弘明寺ゆかりの人物は「矢沢永吉」さん

弘明寺は、歌手の矢沢永吉さんゆかりの街としても知られています。

横浜の地域情報サイト「はまれぽ.com」の記事(2014年)によると、矢沢さんが横浜に来て最初に住んだのが弘明寺だったそうです。

記事で引用されている自叙伝『成りあがり』では、伊勢佐木町で見かけた住み込みの食堂の募集に応募したところ、弘明寺のアパートに入ることになったと振り返っています。

同記事では、地元の商店街の人たちが、商店街を歩く当時の矢沢さんを見かけた思い出を語っています。また、2010年に横須賀で行われたコンサートでは、懐かしくなって弘明寺を訪ねたものの、街の様子が変わっていて道に迷ったというエピソードをMCで話したことも紹介されています。

2.3 【「弘明寺」の地価公示価格】2路線が使える横浜の住宅地

弘明寺には、京急本線の弘明寺駅と横浜市営地下鉄ブルーラインの弘明寺駅があり、2つの路線を利用できます。

2026年の地価公示では、南区弘明寺町の住宅地が1平方メートルあたり31万4000円、前年の30万1000円から4.3%上昇しました。

今回紹介する3エリアの中では、価格・上昇率ともに最も高い水準です。

3. 【神奈川県の難読地名】横須賀市「不入斗」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

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次にご紹介する地名は、横須賀市の「不入斗」です。

今も「不入斗町」という町名として残っています。

「ふにゅうと」と読みたくなりますが、不正解です。

3.1 読み方は「いりやまず」

「いりやまず」と読みます。

平凡社『日本歴史地名大系』によると、不入斗村は横須賀村の南、谷の奥にあった小さな村で、現在の不入斗町1〜4丁目のほか、平和台、鶴が丘、汐見台などにあたります。戦国時代の「小田原衆所領役帳」にも「不入斗」の名が見えます。

地名の由来については、国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」に登録された事例で、かつて寺社領などで年貢などの貢納を免除された「不入権」をもつ土地だったことにちなむという説が有力とされています。

なお、「不入斗」という地名は、千葉県や東京都大田区などにも見られます。

3.2 【「不入斗」の地価公示価格】横須賀中央駅などが最寄りの住宅地

不入斗町は、京急本線の横須賀中央駅や汐入駅が最寄り駅となるエリアです。

2026年の地価公示では、不入斗町3丁目の住宅地が1平方メートルあたり12万円、前年の11万8000円から1.7%上昇しました。

弘明寺と比べると価格は4割ほどの水準ですが、前年からは上昇しています。

4. 【神奈川県の難読地名】平塚市「公所」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

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最後は、平塚市の「公所」です。

わずか2文字ですが、市外の方にはなかなか読めない地名かもしれません。

筆者も当然読めませんでした。というか、意外性のある読みにびっくりしました。

4.1 読み方は「ぐぞ」

「ぐぞ」と読みます。

これは読めないですね!

平凡社『日本歴史地名大系』によると、公所村は西半分が大磯丘陵上の畑地、東半分が水田の地域で、古くは隣の河内村・根坂間村とともに「坂間郷」と呼ばれていました。

地元の公所自治会が発行した資料によると、2017年に自治会などが設置した「公所地名由来」の掲示板には、公所(くしょ・ぐしょ)とは役所や関所の所在地のことで、公事(税)を徴収した場所だったことから「公所」の字があてられた、と記されているそうです。

また、小田原北条氏の時代に代官が置かれたことから「ぐしょ」と呼ばれ、それがなまって「ぐぞ」になったとする説も紹介されています。「公所村」の名が初めて見えるのは、江戸時代の正保4年(1647年)の「正保改定図」とされています。

4.2 【「公所」の地価公示価格】3エリアで最も手ごろな水準

公所は、大磯丘陵と平地が接するあたりに広がる地域です。

2026年の地価公示では、公所の住宅地が1平方メートルあたり7万7000円、前年の7万6000円から1.3%上昇しました。

今回の3エリアの中では最も手ごろな価格ですが、わずかながら上昇が続いています。

5. 著者のコメント

長島 迪子
今回紹介した3つの地名は、観音さまの札所、年貢などを免除された土地、税を集めた役所と、どれも古い時代の暮らしや制度が今も地名として残っているのが面白いですね。

弘明寺が、矢沢永吉さんが横浜で最初に暮らした街だったというエピソードにも驚きました。でも、ファンの方の間では有名だそうですよ。

身近な地名の読み方や由来を調べながら、街の今の姿にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

6. 【まとめ】「弘明寺」の地価は「公所」の約4倍

今回読み方を紹介した神奈川県内の3エリアを並べると、弘明寺の住宅地は不入斗の約2.6倍、公所の約4.1倍の水準で、上昇率も最も高くなっていることがわかりました。

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本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

今回は神奈川県の難読地名「弘明寺(ぐみょうじ)」「不入斗(いりやまず)」「公所(ぐぞ)」を紹介しました。

観音さまの札所、年貢などを免除された土地、税を集めた役所と、由来はそれぞれ個性的です。

また多くのファンに愛されるロックミュージシャン、シンガーソングライター、俳優の「矢沢永吉」さんゆかりの土地もあり、親近感が湧いた人もいるかもしれませんね。

一方で地価を見ると、横浜の住宅地と、横須賀・平塚の住宅地では、価格に大きな開きがあることもわかります。

何気なく通り過ぎていた地名にも、歴史と経済の両面から物語があります。ぜひ身近な地名の由来や地価も調べてみてください。

参考資料

長島 迪子