使わなくなった古い道具、あなたならどうしますか?

@jannipponさんがInstagramに投稿した、捨てられそうになっていた昔の味噌樽を引き取ってプランターに変える動画が、1万件を超えるいいねを集めています。

1. 【古い物に新しい役割】捨てられるはずだった味噌樽が、レモンや苺のプランターに

樽に土を入れれば「プランターの出来上がり!」1/4

樽に土を入れれば「プランターの出来上がり!」

出所:@jannippon

「日本の昔の物かっこいい」と話す@jannipponさんが、たくさん譲り受けたのは昔の味噌樽。

「捨てるところだったんだって」という樽を前に、「捨てちゃうのはもったいない」と話します。

「いいこと思いついた!」と樽に穴を開け、土を入れれば「プランターの出来上がり!」。

レモンやザクロ、苺やローズマリーなどを植えて2/4

レモンやザクロ、苺やローズマリーなどを植えて

出所:@jannippon

そこにレモンやザクロ、苺やローズマリーなどを植えていきます。

最後は、植物が植えられた樽が並ぶなか、「古いものかっこいいでしょ?」「いいね、味噌樽」というテロップで締めくくられます。

コメント欄には「使ってくれて、見つけてくれてありがとう」という声も寄せられていました。

@jannipponさん、ご協力ありがとうございました!

2. 「リユース」と「リサイクル」は何が違う?

「リユース」と「リサイクル」は、どちらも物を捨てずに生かす取り組みですが、意味は異なります。

循環型社会形成推進基本法では、製品をそのまま使うこと(修理して使うことを含む)などを「再使用」、原材料として利用することを「再生利用」と定めています。

一般に、リユースが「再使用」、リサイクルが「再生利用」にあたるとされています。

同法では、再使用できるものは再使用し、再使用されないもののうち再生利用できるものは再生利用する、という順番も示されています。

樽を材料に戻すのではなく、樽のまま使い続ける今回の工夫は、リユースの考え方に近いといえそうです。

捨てずに使い続ける「リユース」は、日本の暮らしにどのくらい広がっているのでしょうか。

3. 国内のリユース市場は3兆4986億円、年々増加傾向に

環境省の「リユース等の促進に関するロードマップ」(令和8年3月)によると、国内のリユース市場規模(一般消費者の最終需要ベース)は2024年現在で3兆4986億円で、年々増加傾向にあるとされています。

ただし、環境省が令和6年度に実施した生活者アンケートでは、過去1年間にリユースを実施した人の割合は40.8%。

生活者の約6割はリユースを実施していないとしています。

3.1 環境省が掲げる2030年までの目標(カッコ内は2024年の現状値)

  • リユース市場規模:4兆6千億円(約3兆5千億円)
  • 生活者のリユース実施率:50%(40.8%)
  • リユース業者等と協働取組を行う自治体数:約600自治体(約300自治体)

古い物に新しい役割を見つける工夫は、私たちの暮らしの中でも、まだまだ広げられそうです。

4. 古い道具の価値は海外の人にも?リユースは外貨獲得や物価高対策にもつながる

同ロードマップは、リユース推進のメリットとして、「インバウンドによるリユース品購入、海外へのリユース品(ユーズド・イン・ジャパン)販売の拡大など、外貨獲得にもつながる」ことを挙げています。

また、リユース品の購入・販売によって生活者の可処分所得が増えるため、「リユース市場の拡大は物価高対策にも資する」としています。

さらに、「ヴィンテージ品や骨とう品等のように文化的価値が高い製品を受け継ぎ、価値を保存する側面」もあるとされています。

動画で「古いものかっこいいでしょ?」と語っていたように、海外の人の目には、私たちが見過ごしがちな古い道具の価値が映ることもあるようです。

身近な古い物を手放す前に、譲る・売る・使い道を変えるといった選択肢を考えてみるのもよさそうです。

5. リユース、よくある疑問

Q. リユースには、どんなメリットがある?

A. 環境省の「リユース等の促進に関するロードマップ」では、①廃棄物の減量・処理費削減、②CO2排出削減・資源有効活用、③生活者の所得増加・消費拡大・QOL向上、④経済・雇用へのプラスの効果、⑤コミュニティの活性化・社会貢献などが挙げられています。

Q. 中古品を買い取る事業者は増えている?

A. 同ロードマップによると、警察庁の資料にもとづく古物営業の許可件数は、2024年末で約57.2万件と、前年から約4万件増えました。古物の買い取りを業として行う人が増えていることがうかがえるとしています(法人だけでなく個人を含む)。

6. 著者からの一言コメント

小野 温子
「捨てちゃうのはもったいない」という感覚を、@jannipponさんが手を動かして形にしてくれた動画でした。過去1年間にリユースを実施した人は40.8%というデータを見ると、身近な古い物に新しい役割を見つける余地は、まだまだありそうです。

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参考資料

小野 温子