そもそも東証マザーズ市場とは
東証マザーズ市場は、成長企業に対して資金調達の機会を、投資家には新興企業への投資機会を与える目的で1999年に創設されました。2016年4月8日時点で226社が上場しています。
東証一部、二部では設立からの年数や利益の絶対額が重視されますが、東証マザーズでは将来の成長性により重きが置かれます。
実際、エムスリー(2413)、スタートトゥデイ(3092)、MonotaRO(3064)などのように東証マザーズからスタートし、その後東証一部に市場変更を行った高成長企業が輩出されています。とはいえ、全ての銘柄が高成長企業とは限らず、まさに玉石混交の市場です。
ちなみに、時価総額のトップ(2016年4月8日時点)はCYBERDYNE(7779)で時価総額は約4,300億円(注:優先株込み)、ボトムはフルッタフルッタ(2586)の約9億円です。
東証マザーズ指数はTOPIXを大幅にアウトパフォーム
その東証マザーズ全体の株価を指数化した東証マザーズ指数の年初来からの上昇率は+18%増と、東証一部の▲17%減とは対照的に非常に好調です。
過去3か月のパフォーマンス上位30社を業種別で見ると、サービス業が14社、医薬品が10社、不動産が2社、建設が2社、その他金融が1社、小売りが1社となっており、中国及び資源国の景気悪化や円高の影響を受けにくい銘柄が好パフォーマンスに寄与してきたことが読み取れます。
過去3か月間のベストパフォーマーはMRT
MRT(6034)は、過去3か月で+454%の上昇となりました。同社はインターネットを介して医師・看護師を中心に人材紹介を行う会社で、2000年に創業し、2014年に東証マザーズ市場に上場しました。最近では、スマートフォンを用いた「ポケットドクター」と呼ばれる遠隔診療サービスを開始することが注目されているようです。
ちなみに、2番目は、創薬ベンチャーのアンジェスMG(4563、+216%上昇)、3番目は、バイオテクノロジー企業のアキュセラ・インク(4589、+195%上昇)と、いずれも医療関連企業でした。
マザーズ指数は1,000ポイントの壁を大きく超えることができるか
2016年4月8日のマザーズ指数は前日比+5%上昇の1,042で引け、1,000の大台を回復して昨年の高値水準(2015年6月22日の1,035)を超えました。
ただし、少し気掛かりなのは、2013年以降、東証マザーズ指数は1,000の大台を超えると値動きが重くなり、その後、急落していたことです。2013年は1,083、2014年は1,042、2015年は1,035と1,000の大台を大きく超えることはありませんでした。
今回は1,000の壁を大きく超えることができるのか、東証一部及び二部からの退避資金が過度に東証マザーズの好調をサポートしていた可能性などに注意しながら、今後の動向を注視していきたいと思います。
【2016年4月11日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部