1. 【大阪府の難読駅名】「御幣島」「百舌鳥」「布忍」の読み方、駅のまわりの地価と街の姿を紹介

電車の路線図や駅のアナウンスで見かけるのに、文字だけ見ると読み方に迷ってしまう駅名はありませんか。

大阪府には、古代の伝承や古墳、神社の言い伝えなど、長い歴史をもつ地名がそのまま駅名になっている例が多くあります。

今回は、大阪府にある難読駅名を3つ出題します。あわせて、駅のまわりの地価や街の成り立ちなど「お金」にまつわる話も紹介します。

ちなみに、関東出身の筆者は、鳥の名前にもなっている「百舌鳥」しか読めませんでした。

でも、名前の由来を知ると読み方も納得!となるから不思議です。

住まい選びや街歩きのヒントとしても楽しんでみてください。

2. 【大阪府の難読駅名】大阪市西淀川区「御幣島駅」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

LIMO編集部作成

最初にご紹介する駅は、大阪市西淀川区にあるJR東西線の「御幣島駅」です。

京橋と尼崎を結ぶJR東西線で、加島駅と海老江駅のあいだにあります。駅の近くには西淀川区役所があり、区の中心となる駅です。

「ごへいじま」と読みたくなりますが、正解はどうでしょうか。

2.1 読み方は「みてじま」

「みてじま」と読みます。

「御幣(ごへい)」は神さまにささげる物のことで、これを「みて」と読むのがポイントです。

西淀川区役所のホームページによると、むかし神功皇后が住吉神社にささげた島のなかに「幣帛島(へいはくじま)」と呼ばれた島がありました。三韓から貢ぎ物を運んできた船がこのあたりで難破しそうになったため、この島に姫神をまつったと伝えられています。

また、神功皇后が朝鮮半島からの帰り道にここで御幣をととのえ、国の安泰を祈ったという説もあり、これが「御幣島」の語源とされています。

西淀川区は古代には「難波八十島(なにわやそしま)」と呼ばれた、たくさんの島や砂州が広がる土地でした。区内に歌島、竹島、姫島、出来島など「島」がつく地名が多いのは、その名残です。

2.2 【「御幣島」の街】工業地帯から住宅と商業の街へ

西淀川区役所のホームページによると、西淀川区には明治から昭和のはじめにかけて紡績・機械・金属・鉄鋼・化学などの工場が集まり、一大工業地帯となりました。

一方で、工場は大気汚染の原因にもなり、区は深刻な公害問題に悩まされました。その後、対策が進み、一定の成果をあげています。

現在の御幣島駅のまわりには、区役所や図書館、スポーツセンターなどの公共施設が集まっています。

JR東西線で北新地や京橋へ乗り換えなしで行けるため、梅田方面へ通う人の住まいとしても選ばれています。

2.3 【「御幣島」の地価公示価格】住宅地は1平方メートル21万3000円

2026年の地価公示では、御幣島のとなりの歌島1丁目の住宅地が1平方メートルあたり21万3000円でした。前年の19万8000円から7.6%上がっています。これは西淀川区にある住宅地9地点のなかで最も高い値段です。

駅名と同じ御幣島5丁目には工業地の地点があり、16万9000円で、前年の15万7000円から7.6%の上昇です。

大阪市の中心部に近いうえ、JR東西線でのアクセスのよさが評価されていると考えられます。

3. 【大阪府の難読駅名】堺市堺区「百舌鳥駅」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

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次にご紹介する駅は、堺市堺区にあるJR阪和線の「百舌鳥駅」です。

天王寺と和歌山を結ぶ阪和線で、三国ケ丘駅と上野芝駅のあいだにあります。

「ひゃくぜつどり」と読みたくなりますが、正解はどうでしょうか。

3.1 読み方は「もず」

「もず」と読みます。

これだけは筆者もわかりました!(笑)

「百舌鳥」は、秋になると「キィーキィー」と高い声で鳴く鳥「モズ」の漢字表記です。いろ

いろな鳥の鳴き声をまねることから「百の舌をもつ鳥」と書くといわれています。

堺市のホームページ「地名のあれこれ」によると、地名の由来は『日本書紀』にある仁徳天皇のお墓づくりの話にさかのぼります。

工事の最中、野から走り出てきた鹿が作業をしていた人たちに向かってきましたが、直前で倒れて死んでしまいました。調べてみると、鹿の耳の中からモズが飛び立ち、耳の中は食い荒らされていたそうです。

この小さなモズの働きをたたえて、この地を「百舌鳥耳原(もずのみみはら)」と呼ぶようになったと伝えられています。

3.2 【「百舌鳥」の街】世界遺産の古墳群の玄関口

百舌鳥駅のすぐ近くには、日本最大の前方後円墳である仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)があります。堺市によると、墳丘の全長は約486メートルです。

このあたりには「百舌鳥古墳群」と呼ばれる古墳が集まっていて、いまも44基が残っています。

2019年には、羽曳野市・藤井寺市の古市古墳群とあわせて「百舌鳥・古市古墳群」として世界遺産に登録されました。

駅の西側には、堺市博物館などがある大仙公園が広がっていて、国内外から観光客が訪れる場所になっています。

3.3 【「百舌鳥」の地価公示価格】住宅地は1平方メートル21万円

2026年の地価公示では、仁徳天皇陵古墳の西側にある陵西通の住宅地が1平方メートルあたり21万円でした。前年の19万9000円から5.5%上がっています。

大仙公園の南側にあたる大仙中町の住宅地は16万8000円で、前年の16万3000円から3.1%の上昇です。

なお、名前に「百舌鳥」がつく地点のうち最も高いのは、となりの北区にある中百舌鳥町2丁の商業地です。1平方メートルあたり106万円で、前年から12.9%も上がっています。同じ「百舌鳥」でも、場所によって地価の水準は大きくちがいます。

4. 【大阪府の難読駅名】松原市「布忍駅」の読み方と由来

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LIMO編集部作成

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最後にご紹介する駅は、松原市にある近鉄南大阪線の「布忍駅」です。

大阪阿部野橋と橿原神宮前などを結ぶ南大阪線で、河内天美駅と高見ノ里駅のあいだにあります。

「ふにん」「ぬのしのぶ」と読みたくなりますが、正解はどうでしょうか。

4.1 読み方は「ぬのせ」

「ぬのせ」と読みます。

「布」は「ぬの」とそのまま読めますが、「忍」を「せ」と読むのはかなり難しかったです...。

駅名は、駅の北西にある「布忍神社」に由来しています。大阪府の観光サイト「大阪ミュージアム」によると、神社は駅から北西へ約400mのところにあります。

南河内の観光情報サイト「みなかわとりっぷ」によると、神社の記録には、北へ約2kmのところにある天美の氏神から速須佐男之尊(すさのおのみこと)を、白い布を敷いてお招きしたことが名前の由来だと記されています。

そこから社名を「布忍」、村の名前を「向井」としたと伝えられています。

4.2 【「布忍」の街】大阪府指定文化財の本殿が残る

布忍神社の本殿は、江戸時代のはじめに建てられたとされ、大阪府の指定文化財になっています。

拝殿には、江戸時代中期の1705年(宝永2年)に奉納された「布忍八景扁額」がかけられています。神社のまわりの8つの景色を絵と漢詩・狂歌・俳句で表したもので、松原市の指定文化財です。

布忍駅から大阪阿部野橋駅までは近鉄南大阪線で1本です。大阪市のすぐ南にありながら、古い神社や落ち着いた住宅街が残る街です。

4.3 【「布忍」の地価公示価格】住宅地は1平方メートル10万円前後

布忍神社のある北新町には地価公示の地点がないため、同じ「新町」の名前がつく地点を見てみす。

2026年の地価公示では、東新町4丁目の住宅地が1平方メートルあたり10万4000円で、前年の10万5000円から1.0%下がりました。南新町5丁目の住宅地は8万円で、前年の8万700円から0.9%の下落です。

松原市の住宅地17地点を見ると、上がった地点が6、横ばいが4、下がった地点が7でした。

大阪市内では上昇が続く一方、郊外の住宅地では横ばいや下落の地点もあり、同じ大阪府内でも地価の動きには差があることがわかります。

長島 迪子
著者のコメント

神さまにささげる御幣、古墳づくりを助けたモズ、神さまを迎えるために敷いた白い布と、3つの駅名にはどれも古い言い伝えが残っていました。

駅のまわりを見ると、工業地帯から暮らしの街へ変わってきた西淀川区、世界遺産の古墳が広がる堺市、古い神社を中心に住宅街が広がる松原市と、それぞれちがう顔を持っています。

読み方の面白さをきっかけに、ふだん通りすぎている駅で一度降りてみると、新しい発見があるかもしれません。

5. 【まとめ】御幣島・百舌鳥周辺の住宅地は布忍周辺の約2倍

今回紹介した3駅の近くの地点を並べると、御幣島(歌島1丁目)と百舌鳥(陵西通)の住宅地は、布忍(東新町4丁目)の住宅地の約2倍の値段でした。

上がり方では、御幣島周辺が7.6%と最も大きく伸びています。

※御幣島5丁目は工業地のため、住宅地とは単純に比較できません

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本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成

今回は大阪府の難読駅名「御幣島(みてじま)」「百舌鳥(もず)」「布忍(ぬのせ)」を紹介しました。

神功皇后の伝承、仁徳天皇のお墓づくりの話、白い布で神さまを迎えた言い伝えと、由来はそれぞれ個性的です。

一方で、駅のまわりを見ると、大阪市内で上昇が続く街、世界遺産のそばの住宅街、地価が落ち着いている郊外の街と、街の成り立ちも地価もさまざまです。

ふだん何気なく使っている駅名にも、歴史とお金の両方から見た物語があります。ぜひ身近な駅の名前の由来や地価も調べてみてください。

参考資料

7. 公開前の確認事項(編集用)

  • 地価は大阪府「令和8年地価公示価格一覧表」で照合済み(大阪西淀川-7、大阪西淀川9-2、堺-19、堺-20、堺北5-2、松原-6、松原-11、松原市の住宅地17地点)。一覧表に駅距離の記載がないため、各地点と駅の位置関係(歌島1丁目が御幣島駅の近くか、陵西通・大仙中町が百舌鳥駅の近くか、東新町・南新町が布忍駅の近くか)を国土交通省「不動産情報ライブラリ」の地図で確認する
  • 「歌島は御幣島のとなり」「大仙中町は大仙公園の南側」「陵西通は仁徳天皇陵古墳の西側」「大仙公園は駅の西側」の位置関係は地図で確認する
  • 布忍の由来(白布を敷いて神を迎えた)は神社の社記にもとづく観光サイトの記述。松原市(教育委員会・文化財担当)の資料や布忍神社で裏取りできれば出典を差し替える
  • 布忍神社本殿の「江戸時代のはじめに建てられた」は、みなかわとりっぷの記述(寛文3年=1663年の奉納札が見つかり、それ以前の建築と推測)にもとづく
  • 「モズが鳴き声をまねることから百舌鳥と書く」は一般的な説明。必要に応じて辞書等で確認する
  • 仁徳天皇陵古墳の全長約486メートルは堺市「古墳」ページ(2015年更新)の数値。最新の堺市資料と表記をそろえる
  • JR東西線の区間(京橋〜尼崎)、各駅の隣の駅は各鉄道会社の公式サイトで確認する
  • YN日時は参考記事にならい公開日時の3日後で仮置き
  • 画像(トップ画像など)の使用可否と権利、トップ画像のクレジットを確認する

長島 迪子