金の価格が高い水準にあるなか、以前に買った金地金を自宅の引き出しやたんすにしまったままにしている人もいるのではないでしょうか。重さは軽くても、いまの価格で計算すると思った以上の金額になっていることがあります。
三菱マテリアルが2026年10月14日に発表した金の店頭買取価格は、1グラムあたり2万3113円(税込)でした。20グラムの金地金でも1本46万2260円になり、日本損害保険協会が「明記物件」の目安として示す30万円を超えます。
この記事では、金地金の保管方法を「自宅」「銀行の貸金庫」「地金商に預ける」の3つに分け、かかる費用と、なくしたときの補償の違いを整理します。
1. 金地金の店頭買取価格は10月14日に1グラム2万3113円、20グラムで46万円台
まず、手元の金地金がいまいくらになるのかを確かめます。三菱マテリアルが2026年10月14日に発表した金の店頭価格は、1グラムあたり小売価格が2万3458円、買取価格が2万3113円でした(いずれも税込)。
1.1 金地金の重さ別に計算すると、5グラムで11万5565円、50グラムで115万5650円
店頭買取価格に重さを掛けると、売ったときの金額の目安になります。小さい地金でも、10グラムを超えると20万円台、20グラムでは40万円台です(LIMO編集部が計算)。
【金地金1本の店頭買取価格(2026年10月14日・税込)】
- 5グラム:11万5565円
- 10グラム:23万1130円
- 20グラム:46万2260円
- 50グラム:115万5650円
- 100グラム:231万1300円
店頭価格には、売買のときにかかる重さごとの手数料は含まれていません。それでも、20グラム以上の地金は1本で30万円を超える計算になります。
2. 金地金の保管方法は「自宅」「銀行の貸金庫」「地金商に預ける」の3つ
金地金の保管方法は、大きく分けると自宅に置く、銀行の貸金庫を借りる、地金商に預けるの3つです。どれを選ぶかで、かかる費用と、なくしたときの扱いが変わります。
2.1 銀行の貸金庫は貴金属を格納でき、料金は貸金庫の種類と大きさで変わる
りそな銀行は、貸金庫に保管できるものとして、契約証書や権利書、有価証券と並べて「貴金属、宝石」を挙げています。料金は利用する貸金庫の種類・大きさによって異なり、店舗ごとに用意しているサイズも違うとしています。
一方で、災害や事変など、銀行の責めによらない事由で格納品が紛失・滅失・き損した場合の損害について、同行は責任を負わないと案内しています。貸金庫に入れたからといって、中身の価値が銀行に補償されるわけではありません。
2.2 三菱マテリアルの混蔵寄託は、所有権を持ったまま金地金を預けられる
地金商に預ける方法の例として、三菱マテリアルの会員制サービス「マイ・ゴールドパートナー」の混蔵寄託があります。同社によると、混蔵寄託は購入した金地金を預ける方法で、金の所有権は預けた人に帰属したまま、同社の資産とは区別して専用の金庫で保管されます。
保管料は有料で、預けている重さに応じて年率0.03〜0.10%です。2000グラム未満なら0.10%で、6か月ごとに請求されます。
3. 自宅で保管する金地金と家財の火災保険。30万円を超える貴金属は「明記物件」
自宅に置く場合は保管の費用はかかりませんが、盗難や火災で失ったときに頼りになるのは、自分で入っている家財の火災保険です。日本損害保険協会は、火災保険について、火災だけでなく風水災などの自然災害や盗難などによって建物や家財に生じた損害を補償する保険だと説明しています。
3.1 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属は、証券に明記しないと補償されない場合がある
同協会の解説では、貴金属・宝玉・宝石・書画・骨董(とう)・彫刻物その他の美術品のうち、1個または1組の価額が30万円を超えるものは、保険証券に明記されていなければ補償の対象にならない場合があるとしています。補償の対象にするには、加入時の手続きが必要です。
10月14日の店頭買取価格で計算すると、20グラムの金地金は1本46万2260円で、この30万円を超えます。手元の金地金が自分の契約でどう扱われるかは、保険会社によって異なるため、証券や約款で確かめることになります。
3.2 火災保険は建物と家財で別々に加入する
同協会は、火災保険は建物と家財についてそれぞれ別々に加入するものだと説明しています。持ち家で建物だけに保険を掛けている場合は、家財は補償の対象になっていないことがあります。
金地金を自宅に置くなら、家財が補償の対象になっているか、盗難が補償に含まれているか、30万円を超える貴金属をどう扱う契約かの3点が確認の出発点になります。
20グラムの金地金でも、10月14日の店頭買取価格では1本46万2260円になり、30万円を超えます。貸金庫は貴金属を格納できますが、銀行の責めによらない事由による紛失やき損は補償されず、地金商に預ける混蔵寄託には保管料がかかります。
自宅に置いている金地金があるなら、重さと本数を書き出し、家財の火災保険の証券で盗難と明記物件の欄を確かめておくと、保管方法を見直すときの材料になります。
ここからは、元銀行員として窓口で資産のご相談を受けてきた立場から、貸金庫を借りる前に聞いておきたいことと、預けた金地金を手元に戻すときの費用を見ていきます。