6. 10月の年金の手取り額はどこで確かめられるか
振込額が気になったときに、何を見れば内訳がわかるのかを挙げていきます。
6.1 年金振込通知書で振込額と控除の内訳を見る
日本年金機構からは毎年6月に「年金振込通知書」が届きます。ここに年金額と控除される金額の内訳が記載されています。
年度の途中で振込額が変わる場合には、あらためて通知書が送られることがあります。郵便物は都度開封して確認しておきましょう。
6.2 自治体の保険料決定通知書で仮徴収と本徴収の額を照らす
国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料については、自治体から届く決定通知書に年額と各期の金額が載っています。
手元に見当たらない場合は、住んでいる自治体の担当窓口で内容を確認できます。計算のもとになった所得額についても、その場で説明を受けられます。
6.3 ねんきんネットで年金額そのものをたどる
額面や過去の支払記録については、日本年金機構のねんきんネットから見られます。
在職定時改定の対象になっている方は、改定後の金額がいくらになるのかを合わせて確かめておくとよいでしょう。
7. まとめにかえて
今回は、10月に年金の手取り額が変わるしくみと、年代別の平均年金月額を確認してきました。
年金から差し引かれる住民税や社会保険料は、年度前半の仮徴収から10月支給分以降の本徴収へ切り替わります。前年の所得が下がった人は手取りが増え、逆に一時的な所得があった人は減ることがあります。
また、働きながら年金を受け取っている人は、在職定時改定によって年金額そのものが10月分から増えるケースもあります。手取りが変わる理由は一つではないということです。
確認する順番は決まっています。まずは手元にある「年金振込通知書」を確認し、天引きされている項目と実際の振込額を見てみましょう。
次に、前年の所得に大きな変動がなかったかを振り返ります。退職金を受け取ったり、不動産を売却したりした場合は、年度後半の天引き額が増える可能性があります。
最後に、働きながら年金を受給している方は、年金額そのものに改定がないかを確認しましょう。
この3つのポイントを押さえておくことで、手取り額が変わった理由をおおむね特定することができます。
年金の手取り額が変わったときは、慌てて金額だけを見るのではなく、「何が変わったのか」を順番に確認することが重要です。
老後の家計は、額面ではなく実際の振込額をもとに組み立てることが大切です。不足が見えたときの手段としては、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、家計の見直し、就労を続けることなどが挙げられます。
まずはお手元の年金振込通知書を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」
- 日本年金機構「在職老齢年金制度が改正されました」
- 日本年金機構「年金額改定通知書・年金振込通知書」
長井 祐人
