公的年金は原則として2カ月に一度支給されます。厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は15万289円ですから、この水準の人であれば支給日に約30万円が支払われる計算です(実際にはここから税金や社会保険料等が天引きされて振り込まれます)。
本記事では、この「ひと月15万円」をクリアしている人が受給権者のどれくらいを占めるのかを、男女全体と男女別の受給額分布から確認していきます。
金額の感じ方は人それぞれですが、ここで見ていく分布は、ご自身の見込み額を後で確認するときの物差しになります。老後の収入の柱となる年金額を事前に確認しておくことで、将来に向けてとるべき対策も見えてきます。
年金額が男女で開きがある点も含めて、順に見ていきましょう。
1. 公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て
公的年金のしくみは、「国民年金」と「厚生年金」の2つの年金制度から成り立つため、しばしば「2階建て構造」と表現されます。
1.1 【国民年金】1階部分
- 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
- 保険料:全員一律、年度ごとに見直しあり(※1)
- 年金額:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額の基礎年金(※2)を受給できる(未納期間分にや免除期間分に応じて減額調整)
※1 国民年金保険料:1万7920円(2026年度の月額)
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:7万608円(2026年度の月額)
1.2 【厚生年金】2階部分
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:収入に応じて(上限あり)決定する報酬比例制
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せして支給)
国民年金の保険料は加入者全員が同じ額を支払います。
一方で、厚生年金の保険料は報酬(給与・賞与)に応じて決められた額を支払う「報酬比例制」です。毎月の給与や賞与などの「報酬」に、所定の保険料率を乗じて保険料が決まるため、納付する保険料は人それぞれ異なります。
つまり、現役時代に「国民年金」または「厚生年金」のどちらに加入していたか、または、どちらの加入期間が長かったかにより、老後の年金額には大きな個人差が出るのです。
2. 厚生年金でひと月15万円以上を受け取る人は49.8%
厚生年金の年金額は、現役時代の収入や加入期間によって個人差が出ますが、その実態が気になるところでしょう。
厚生労働省の資料「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金を含む)の平均年金月額は男女全体で15万289円です。
公的年金は、原則として2か月に一度支給されるため、この平均額で考えると、一度の支給日に約30万円が支払われる計算になります。
では、この平均である月額15万円をクリアしている人は、受給権者全体でどのくらいの割合を占めるのでしょうか?
※下記の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
2.1 【男女全体】厚生年金「ひと月15万円」もらえる人は何パーセント?
【男女全体】厚生年金の平均年金月額:15万289円
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
厚生年金を月額15万円以上受給している人は、男女全体の受給権者の半分に満たない49.8%です。厚生年金を受給していない人も含めて計算すると、この割合はさらに低くなります。
